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透くんと別れて、街を歩き始めたけれど、目的の人は見付からない。かと言って、透くんに手伝ってもらう訳にもいかない

昴くんが透くんの憎んでいる相手だって言っていたから、会わせない方が良いだろうし、探してもらうのも悪い気がした

だから、一人で探す他に手はない

まぁそう簡単に見付かる訳も無いのだが


「そう言えば、透くんがアメリカとか何とか言ってたなぁ・・・」


公園のベンチに座ってぼんやりと空を見上げながた思い出した

アメリカに帰っているかもしれないという可能性が出て来てしまった。それでも、絶対に会えないという可能性は無いので、諦めずに探そう

そう思って、ベンチの背凭れに預けていた頭を勢いよく前に戻して、地面を見ると誰かの影は視界に入った


「あ、オジサンだ!!」


顔を上げれば、そこにはニット帽の人がいた


「オジサンは止めてくれないか?俺は赤井だ」
「透くんから聞いてる。隣、座ってよ」


自分の座っている隣を手で叩いて誘った


「お邪魔しよう」
「オジサンじゃない、赤井は何でここに?」


隣に座った赤井に訊いた


「君が俺を探していると聞いてな」
「何で知ってんの!!?」
「沖矢に聞いた」
「なぁんだ。透くんと仲直りしたんじゃ無いのか」


赤井の返答に少し残念だった


「早々仲直りは出来んよ」
「ま、一週間も経ってないしなぁ」


赤井と初めて会った時からそれほど日も空いていないので、仲直りは出来ていなくても不思議では無い


「そうだ、赤井。この間はごめんね」


探していた当初の目的を果たす為に赤井に謝った


「何の事だ?」
「透くんをいじめてた訳じゃない無いのに決め付けて、怒鳴ってだよ」
「気にするな。誤解をされてもおかしくはないし・・・それに、」
「それに?」


言葉を区切った赤井に先を促したが首を横に振った


「これは君が知る事じゃないな」
「そうなんだ。早く仲直りしてよ。昴くんも透くんと仲直りしてないんだから」
「そうだな。出来たらそうする」
「じゃあ、絶対に仲直りはする事ね。はい、約束」


そう言って、赤井に小指を出した


「・・・約束しよう」


同じように小指を差し出した赤井に自分の小指を絡ませた


「嘘吐いたら針千本のーます」
「怖いな」
「絶対だからね」
「ああ」


赤井と約束をして、少しの間、話す事にした


「赤井ってさ、警察の人なんだよね」
「アメリカのな。安室くんから聞いたのか?」
「うん。透くんと知り合いだったっけ」
「一応な」


透くんの友達だとも言わず赤井はそう答えた

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作者名:空白可能 | 作成日時:2019年10月14日 20時

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