風見さんの新しい部下【男主】 (ページ9)

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｢おっと、すみません｣
｢いや、こちらこそ｣

ぶつかった人とすれ違い、そのまま通り過ぎて病院を出ようと思ったが、ふと思い出して、ぶつかった人を振り返った

｢赤井さんですか？｣

振り返った先の人に声を掛けた

｢ほぉー･･･、俺を知っているのか？｣
｢少しだけ。確認したかっただけなので、お引き止めして、すみません｣

それでは、と頭を下げて、赤井さんに背を向けて、歩き出した。今度はこちらが引き止められるかと思ったが、そんな事は無く、一人の少年とすれ違い、病院を後にした

自宅に帰り、冷蔵庫を開けて、ビールの缶を取り出す。片手でそれを開けながら、テレビの電源を点けた

ソファに座りながら欠伸をし、テレビの番組表を見ていくが、面白そうな番組はやっていない。仕方なく、ニュースを見る

ビールを飲みながら見るニュースは最悪だ。ビールを飲み干して、ローテーブルに置いた

電気を消して、ソファに寝転び、眠りについた

｢おはようございまーす｣

次の日、登庁して、風見さんに挨拶をした

｢おはよう。今日からはちゃんとした仕事があるから、サボるなよ｣
｢サボりませんよ。こう見えて、真面目なんですから。それで、仕事はなんですか？｣
｢この男が現れる場所で張り込みだ｣

そう言った風見さんから写真を受け取り、それを見る

｢分かりました。現れる場所というのは？｣
｢ここだ。一人で出来るか？｣
｢出来ますって。子供じゃないんですから｣

変に心配されるので、言い切っておいた

｢なら頼む｣
｢任せてくださいよ。ところで、何でこの男を？｣
｢この男が犯罪組織の一員だという証拠とその組織の拠点を探す事が今回の目的だ｣
｢なるほど｣

風見さんに理由と目的を教えてもらい、再度写真を確認する。こんな人が良さそうな人が犯罪組織との繋がりがあるなんて、あまり思いたくない

人は見掛けにはよらないとも言うが

｢降谷さんの追っている組織との関連は？｣
｢無いが、それがどうかしたか？｣
｢いいえ、途中で会っても嫌なので。それじゃあ、行って来ます｣
｢気を付けてな｣

そう言ってくれた風見さんに頭を下げて、写真の男が現れるという場所を目指した。実際に行ってみると、そこは人の往来が少ない場所で、張り込むのは難しい

だから、風見さんは心配していたのか

俺には関係の無い事だ

そう思いながら、自分の腕時計と太陽の位置を確認する。そこから男が現れる場所を監視出来そうな場所を探した

辺りを見られる高い場所に移動して、双眼鏡を覗いた