風見さんの新しい部下【男主】 (ページ45)

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｢別に何だって良いじゃないですか。結果的に追い掛けなくても良かったんですし｣
｢そういう問題ではない｣
｢じゃあ、どういう問題です？｣

笑って訊き返すと、ネクタイを掴まれて、強く引き寄せられた

｢ふざけるな!!お前が赤井秀一と話していたと聞いた!!それは、一体どういう事だ!!｣
｢何でそんなに熱くなるんです？別に俺が誰かと仲良くても良いですよね？｣
｢よくな、｣

言葉の途中で降谷さんは黙った

そして、左右に目を動かして俺の事を見る

｢話は後だ｣
｢･･･そうですね。十人以上ですが、相手に出来ます？｣
｢誰に向かって言っている｣
｢安室さんにですよ｣
｢言っていろ｣

フッと笑った降谷さんは、どこから湧いて出てても来たのか分からないどうみても敵である相手に突っ込んで行った

俺はそれを後ろで見ていたかったが、生憎、左右にしか無い道で挟まれている為、動かない訳にはいかない

｢警察のエースを嘗めるなよ｣
｢誰がエースだ。誰が｣
｢安室さん｣
｢やめろ｣

怒られながらも、相手を確実に沈めて行き、襲い掛かって来た分の相手は制圧し終えた

｢風見さんに連絡しとくので、安室さんは撤退してください｣
｢分かっている。任せ、｣
｢安室さん？｣

メールを打っている途中で降谷さんの言葉が途切れて、ドサリと音が聞こえた

｢安室さん!!｣

降谷さんが倒れていた

慌てて、降谷さんに駆け寄って、首に手を当てると死んではいないようだ。という事は、非致死性だとは思うが、どこにも敵の気配はしない。ならば一体どこから相手は降谷さんを狙ったんだ

数秒後、それが分かって顔を上げた瞬間、頭に固い物が当たった

｢降参しますって。どこに行けば良いですか？｣

両手を挙げて立ち上がり、後ろにいる人に訊いた

｢ん、｣

後ろに奴は何も言わず、俺の口を布で押さえた。それには薬品が染み込んでいたようで、目の前がぼやけて見え始め、脚に力が入らなくなる

そして、意識を保てず、倒れ込み、眠りについた

目を覚ませば、薄暗い部屋の中で、体は腕から手首に掛けて拘束器具がつけられていて、動かせない

隣には降谷さんがいて、眠っていた

｢安室さん、起きてください｣
｢うぅ･･･こ、こは･･･｣
｢分かりません。ただ、俺達は捕まったようです｣

降谷さんの腕も自分と同じようになっていて、動かすのは難しそうだ

｢話の続きでもします？｣
｢何でだ｣
｢暇ですし｣

どうせ、ここに誰かが来るまで何も現状は進展しない事は分かるので、降谷さんとの話の続きをしようと思った