検索窓
今日:14 hit、昨日:28 hit、合計:241,606 hit

23 ページ25

「・・・何はともあれ、俺が何かを言えた義理でも無いけど」
「山吹さん?」
「何でもないよ」


小さく呟いた言葉はおチビくん、コナンくんには聞こえなかったみたいので、無かった事にした


「コナンくんはもう寝たらどう?後は俺が見とくから。子供は夜に成長するんだぞ」
「知ってるよ」
「じゃあ、寝なさい」
「じゃあ、一つだけ訊いても良い?」


コナンくんの質問にどう答えようか悩んだが、この子が寝ると言うなら聞いてあげようと思った


「寝るって約束するならな」
「分かった!!」


笑顔で頷いたコナンくんの質問に答える事になった


「山吹さんって、奥さんとか子供はいる?」
「どうしてそう思ったのかな?」
「僕に優しくしてくれるし、子供の事に関して詳しそうだったから」
「それだけ?」


訊くとコナンくんは首を横に振って、教えてくれた。俺のコナンくんに対する接し方、仕草などがそう思わせたらしい。全く気が付かなかったけれど、他人から見たらそうなるという事か


「それになんだか、僕と話す時だけ雰囲気が柔らかくなるんだ」
「へぇ、初耳。今度から気を付けるよ」
「分かりやすくて助かるのに」
「そう言われたら余計にね」


変な癖を付けて、覚えられても嫌なので、今後は気を付けておこう。特にこの子の前では


「俺に奥さんとかいるって話だったっけ?」
「うん。はぐらかされるかと思った」
「そんな事しないよ。俺にはね、美人なお嫁ちゃんと可愛い娘ちゃんがいるんだ」


自分の携帯を取り出して、写真を選んでそれを表示させて、コナンくんに見せた


「ほら、美人なお嫁ちゃんと可愛い娘ちゃん」
「本当だ。娘さんはいくつ?」
「六歳だよ。凄く可愛いんだ」


写真を見ているコナンくんに笑って答えて、携帯の画面を消した。携帯をポケットにしまい、コナンくんに視線を向ける


「さ、答えたから、寝なさい」
「はーい」
「おやすみ、コナンくん」
「おやすみなさい」


コナンくんがちゃんと寝るのを確認してから、先程まで読んでいた雑誌を再び読もうと思った。だが、流石にずっと月明かりで読むのは目に悪い

そう思い、雑誌を読むのでは無く、窓の外を眺める事にした


「はぁ・・・」


窓枠に肘を置いて、頬杖をつきながら溜め息を吐いた


「・・・何か心配事か?」
「やっぱり起きてましたね。赤井さん」


後ろから聞こえた声に返事をした


「気付いていたか」
「人の呼吸って、案外、分かりやすいものですよ」
「・・・君は優秀な警察官だな」


そんな事を言った赤井さんの方を向いた

24→←22



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (75 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
286人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2019年11月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。