風見さんの新しい部下【男主】 (ページ20)

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｢風見さん、今度、何か奢ってくださいよ｣
｢そうだな。何が良い？｣

提案した事に風見さんは嫌な顔せず、そう言った

｢本当に良いんですか？俺、まだ何も借りを返してないんですけど･･･｣
｢今回のでおつりが出る程の借りを俺が作ったからな｣
｢そうですかね？｣

そう言うと風見さんは頷いた

｢今回の事は命に関わる事だったんだ。紙切れとは比較にならない｣
｢風見さんがそう言うなら、お言葉に甘えまーす!!｣

どう言っても引き下がらないと思ったので、風見さんに甘える事にした。いつ行けるかは分からないけど、美味しそうな飯処を探しておこう

｢だが、あの時、よく見付けたな。狙撃手がいると｣
｢あれは簡単な事ですよ。陽の光がスコープに反射してたので見えたんです。太陽を背にしてポジションにつくのは狙撃手の基本なんですけどね｣

今では、反射しないようになってはいるが、光の入射角によっては反射してしまうという話もある。どちらにせよ、反射してしまうような位置で人を狙うのはご法度である

｢薫衣は狙撃に関しての知識が豊富なのか？｣
｢得意分野なんですよ。銃の扱いは。頭が悪い分、そういうところで補わないといけないので｣

風見さんにそう言うと確かにみたいな顔をされた

｢俺ってそんなに頭が悪そうに見えます？｣
｢黙っていればそうでもないが、話すとなんだかな･･･｣

訊くと風見さんは言葉を区切ったが、どうやら俺に対しての印象がそのぐらいにまでなっているらしい

｢あらまぁ。じゃあ、もっと気を付けます｣
｢いや、そのままで良い。今度、俺の射撃練習に付き合ってくれ｣
｢分かりました。風見さんよりは下手かもしれませんがね｣
｢それは無いだろう。あの場面で、あれほど素早く狙撃銃を構えて正確に狙い撃つ事は降谷さんにも出来ない事だ｣

風見さんが凄く褒めてくれるのだが、慣れていないので、それがくすぐったい

｢お前が敵でなくて良かった｣
｢･･･買いかぶり過ぎですよ｣
｢そうか？｣
｢俺はそこまで凄くないですよ。それじゃあ、お仕事、さっさと終わらせましょう｣

そう言い、風見さんとの会話を終わらせ、仕事の方も終わらせる為に徹夜しながら奮闘した結果、二日後には休みをもらえて、病院に行けるようになった

｢久し振り｣
｢久し振りね｣

やっとの休日、彼女のもとに来て、話をした。どうやら、昨日まで病院は随分と騒がしい事件に巻き込まれていたらしくて、大変だったという

この前、変わったばかりの彼女の病室も変わっていたし、後で病院で何があったかを探っておいた方が賢明だろう