風見さんの新しい部下【男主】 (ページ18)

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｢それで、どうでした？情報の方は｣
｢･･･ここにある｣

話を変えると降谷さんは俺にUSBを手渡した

｢すごーい。こんなにあっさり手に入れられるんですね｣

感心しながらUSBを見詰めた

｢こんなに簡単なら、安室さんの頭には沢山の情報が入ってそう｣
｢簡単な事ではないが、君も情報の抜き取り方は覚えておいた方が良い｣
｢そうします。どんな凄い人の情報があるか気になりますし｣
｢･･･僕は君に勧めた事を後悔した｣

そう言って、降谷さんは溜め息を吐いた

｢溜め息を吐くと幸せが逃げますよ｣
｢うるさい。さっさと風見に報告して来い｣
｢分かりました。では、安室さん、また会いましょうね｣

頷いた返した降谷さんと別れて、風見さんのもとに戻った。そして、降谷さんとの事を報告し、USBを渡した。降谷さんの活躍によって、男の所属している組織を突き止める事が出来た

｢本当にあの人って優秀なんだなぁ｣

缶コーヒー片手にぼやいて、溜め息を吐いた

｢溜め息を吐くと幸せが逃げるぞ｣
｢風見さん｣

一人で休憩をしていた俺の所に来た風見さんにどこかで聞いた事のある言葉を言われてしまう

｢風見さんも休憩ですか？｣
｢まぁな。何か悩みでもあるのか？｣
｢何か悩みがあるように見えます？｣
｢見える｣

即答を食らって、返す言葉が見付からない。それほど分かりやすかっただろうかという気持ちも湧いて来る。ポーカーフェイスには定評があるというのに

｢俺にでも力になれそうな悩み事か？｣
｢そうですねぇ。なれないかもしれません。これは俺個人の問題なので、相談するような事では無いですね｣

相談したところで何かが変わる訳でも無いので、風見さんにそう言っておいた

｢そうか。だが、いつでも頼れよ。俺が年下だからと言って、｣
｢年齢とかは別に気にしてないですって。風見さんの方が先輩ですし、頼れる時は頼ってますよ｣
｢なら良いが･･･｣
｢そうそう。俺よりも降谷さんにその優しさを使ってあげてください。それじゃあ、俺は戻りますね｣

空になった缶を捨てて、その場を後にした

｢溜め息を吐くと幸せが逃げる、か･･･。誰が作った話なんだか。息抜きは健康に良いんだって習わなかったのかな･･･｣

それに幸せが逃げているから溜め息を吐いているのだという事も忘れてもらっては困る。幸せなら溜め息なんて出ない

｢･･･病院、行くかな｣

戻りながら見た携帯に着信が二件ほど来ていて、どちらとも病院からだった。電話を掛けて来た人間は分かっているので、仕事が片付き次第、病院に行く事にした