もっかい溶かして、ダーリン【skt】

無神経 ページ4

◆ ◇ ◆


坂田くん達に中に入ってもらい、空き部屋に案内した。

「え･･･居候の俺がこんな広い部屋、良えんですか？」
「あー･･･まぁ、空いてたのがたまたまこの部屋だから、気にしないで！」

さすがに亡くなった両親の部屋だったなんて言えない。室内は、坂田くんの希望でベッドなど一部の家具は残っている。こっちとしても、リサイクルショップに持っていくのが大変だから助かった。でも別の人が使うんだもん、この部屋も様変わりするだろうな･･･。部屋の内観が変わるのが、両親がいないことを象徴しているみたいで悲しい。

「気にすることないよサッキー！部屋の有効活用なんやから。私前から思っとったもん、1LDKのマンションに引っ越したら良いのに〜って。余計虚しくなりそうやん？」
「それ･･･どういう意味？」

大人げないのは自分でも分かっている。でも怒りは収まらなかった。

「この家じゃないと嫌なの！両親とこっち来てから住んでた、思い出があるここじゃなきゃ･･･！」
「ちょ、なんで泣いてるんか意味分からんねんけど！まだおばさん達のこと引きずっとったん？良い加減やめなよ、どう足掻いたって戻らんねんから」

私は子供みたいにボロボロ泣いていた。今日初対面の、同い年の坂田くんがいるのに。

「･･･帰って」
「え？Aが片付け手伝えってーー」
「もう帰って！！」

美麗が家を出た後も、涙が止まらないどころか、座り込んでしまった。そんなみっともない私を、坂田くんは背中を擦ってくれた。

「ごめん、坂田くん･･･」
「良えよ、辛いことはどんなに経っても辛いもん。Aが家族思いって証拠やん」

坂田くんの優しさに、私は余計泣いてしまった。

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