ずっと傍に ページ22
◆ ◇ ◆
坂田くんの労り尽くせりの看病のおかげで、帰った直後38度超えだった熱が少し冷めた気がする。体感だけかもしれないけど。でも、横になっているだけでも随分体は楽になったし、坂田くんのおかげですごく安心感がある。もし1人暮らしだったら坂田くんが今してくれていること全部、自分でやらないといけないって考えると、到底出来そうに思えない。
「ダーリン、ご飯食べれそう?卵粥作ってきたで!ちゃんとレシピ通りに作ったけど、初めて作ったから味は怪しいけど・・・」
お盆の上に乗った茶碗の中の卵粥は美味しそうな匂いを部屋いっぱいに漂わせている。お粥ならなんとか食べれそう。
「ありがとう、坂田くん。とりあえず食べてみるね」
「あっ、こら。病人は大人しくしといて下さーい。はい、あ〜ん」
一口スプーンに掬ってふーふーと息を吹き掛けた後、坂田くんは卵粥の掬われたスプーンを私の口元まで近づけた。あ〜んで食べるなんて・・・子供みたいで恥ずかしい!なんとかスプーンを奪還しようとしたけど、病人が健康な男子から奪える筈がなく。仕方なくパクリと口に入れた。
「ん、美味しい・・・!」
「良かった〜!無理せん程度に、どんどん食べて!」
結局、私はあまりの美味しさに完食しちゃった。早く風邪を治すためには良いことだと思うけど。お粥を食べる私を見て、坂田くんはすごく嬉しそうにニコニコしていた。
「お薬も飲んだし、坂田くん何から何までありがとう。風邪移しちゃったら駄目やから、今日はもうここにいないでね」
「え〜、なんでよ〜。どのお口かな〜、行かないでって言ったんは?」
私、そんなこと言ったっけ?・・・あー、熱で意識がぼーっとしてた時に言った気もする。でも・・・
「勉強だってあるでしょ?今日はこれで充分!」
「嫌や!じゃあ、ダーリンが寝るまでおるってのはどう?ダーリンが寝たら勉強するから!」
小さい子みたいに、駄々っ子モードに入った坂田くんは要望が通るまで引かない。そんな坂田くんを可愛いと思っちゃう、結局坂田くんに押し通されちゃう私も駄目、っていうのは分かってるんだけど。
「じ、じゃあ私が寝るまでね?」
「はーい!ほんまはずっと傍におりたいけどなぁ?」
ちゃんと勉強して下さい!私のせいで欠点とか留年して欲しくない!
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アウラ - はい!楽しみにしています! (2022年1月28日 20時) (レス) @page40 id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - アウラさん» コメントありがとうございます!美麗がどう動くのか、楽しみにしていて下さい! (2022年1月27日 22時) (レス) @page39 id: b92803e9c0 (このIDを非表示/違反報告)
アウラ - やっと結ばれてくれてうれしいです!次は美麗ちゃんもでるのでしょうか? (2022年1月27日 20時) (レス) @page1 id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - しょー@坂そらめいセン推しさん» コメントありがとうございます!コロナワクチンの副反応で更新できてなかったので力入れて書いた甲斐がありました!今後も本作品をよろしくお願いします! (2021年9月10日 6時) (レス) id: b92803e9c0 (このIDを非表示/違反報告)
しょー@坂そらめいセン推し - 推しがえちぃ////まじ、ダーリンだけでもやばいのにキスマのことマーキングって言うの本当にやばい!僕の心臓破裂する////更新頑張ってください (2021年9月10日 1時) (レス) id: b8eda32ef2 (このIDを非表示/違反報告)
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