たぬき ページ27
✞ ✞ ✞
ご飯を食べ終わり勉強終了後、初日のようにメイドさんに体を洗われてお風呂を済ませ、メイドさんにうらたさんの部屋を案内してもらった。1人廊下に残された私は、すぐにうらたさんの部屋に入る気になれなかった。なんだかんだセンラさんは加減してくれていた。坂田さんとの行為は覚えてないから除外するとしてーーうらたさんは容赦なく抱きそう。記憶にない坂田さんとの行為をノーカンにすると２回目の夜伽に緊張が抜けない。まして相手は私のことを嫌ってるうらたさんだもん。でもいつまでもこうしていられない。一度深呼吸してから、私はドアをノックした。あれ、返事がない･･･？ドアは･･･ドアノブを捻ると動いた、開いてるんだ。呼び出しておいて返事ないってどういうこと？私はドアを引いて開けた。そこに広がっていた光景はーー
「きゅーきゅー！」
「ははっ、くすぐったいって。そんなにこのお菓子気に入ったのか」
あのうらたさんが笑ってる･･･！？たぬきを抱いたうらたさんは満面の笑みを浮かべている。たぬきもすごく嬉しそうにうらたさんの頬に顔を擦り寄せていた。あ、たぬきの背中に悪魔みたいな小さな羽がある。いわゆる使い魔って奴？なんて1人と1匹の様子をじっと見ていると、やっと私の存在に気づいたらしいうらたさんとたぬきに睨まれた。
「おい、部屋に入ってくるならノックと声かけしろよ」
「きゅー！」
いや私ノックしたんですけど！でもこの人達に何言っても信じてくれなさそうだから、スルー。たぬきは悪魔の羽を使ってこちらに飛んできた。じとーと見られ、さすがにたぬき相手でも恥ずかしい。くるっと後ろを向いたかと思えば、次の瞬間しっぽがぶんっと振られて思いっきり私の顔が横向きになった。
「いったー！ご主人様に似て随分荒くれ者な性格なんですね！」
「は！？誰が気が荒いって言うんだよ！文句言ってないで、こっち来い」
うらたさんがそう言った途端、たぬきは今度は私の顔にべったり張りついてきた。前が全く見えない！ため息をついたうらたさんがこっちに来て、たぬきをひっぺ剥がしてくれた。その間きゅーきゅー鳴いてすごく抵抗してたけど。
「聞き分けの良い奴なのに、やまだ急にどうしたんだよ」
「きゅきゅ、きゅー！」
何かを懸命に訴えるやまだちゃん、私には全然分からないけど。
「ごめんな俺の使い魔が。うわ、顔腫れてる･･･坂田呼んだ方が良いのか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛月花(プロフ) - ソテツさん» 誤字指摘ありがとうございます。sktさん以外の3人も過去というか、これからなんでそんな態度なのか明らかになっていくので楽しみにしてて下さい！ (2022年11月17日 21時) (
レス) @page7 id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
ソテツ(プロフ) - 凛月花さん» 「散歩隙」って「散歩好き」じゃないですか？sktさんの過去、気になります！ (2022年11月17日 20時) (レス) @page7 id: 6edb471501 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - 可愛い後輩ちゃん@ずとまよ2daysさん» お祝いコメントありがとうございます✨ そうです、ハングリーゴーストです！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2022年10月12日 23時) (レス) id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
凛月花(プロフ) - アウラさん» いえいえ、分かりにくい文を書いた私が悪いので気にしないで下さい！💦 (2022年10月12日 23時) (レス) id: 16a1f91fe3 (このIDを非表示/違反報告)
可愛い後輩ちゃん@ずとまよ2days - 新作おめでとうございます！✨もしかしてハングリーゴースト...だったりしますか？🍭👻ドタイプかもしれません...😋これからしっかり読ませていただきます！✨ (2022年10月12日 22時) (レス) @page1 id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
