【USSS】腹ぺこ悪魔と甘々ケーキ

目覚め ページ21

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パラパラと、紙をめくる音がかすかに聞こえる･･･。私は重いまぶたを開けてみると、ベッドサイドに座っているセンラさんが本を読んでいた。私が起きたことに気づいたみたいで、読んでいた本をパタンと閉じた。

「おはようさん、と言ってももう午後１時やけどねぇ。あ、あんま左腕引っ張らんといてな？針抜けて血出てまうよ」

私、そんなに寝てたんだ･･･。針？左腕を見ると、点滴が繋がれていた。私、坂田さんに抱き潰されて脱水にでもなったのかな？鎖骨を舐められた後の記憶が全くないけど、センラさんに抱かれた時と昨日の状況から、栄養補給のために抱かれたんだろうなと察した。隣でスースーと寝息が聞こえる。右を向くと坂田さんが気持ちよさそうに寝ていた。

「私、昨日の夜のこと全然覚えてなくて･･･。センラさんが私の看病してくれたんですか？」
「昨日？あー日にち感覚もなかったんか。君ら３日３晩抱き合っててんで？廊下まで嬌声が漏れとったから俺もまーしぃも乱入したろか思ったわー。んで、５日も寝てたって訳。まーしぃとうらたんに気ぃつけや？２人共腹ペコで大分機嫌悪いから」

３日･･･！？そりゃ点滴繋いでもらわないと死んじゃうよ･･･。大分意識がはっきりしてきて、激しい空腹感に襲われた。点滴で栄養は体に送られているとはいえ、計８日間飲まず食わずだから、お腹も空くよね。お腹がグーっとなった音はセンラさんにも聞こえたらしい。

「食欲に耐え切れんくなっとう年上組のことはさておき、よぅ頑張ったね。Aのおかげで坂田の死を回避できてんもん、センラさんが今からとびっきりのご馳走作ってあげるわー」
「あの、あ、それは有難いんですけど。１つ聞いても良いですか？」

少し気になっていたこと、今志麻さんも苛立っているみたいだし聞けるのは通常運転のセンラさんしかない。なんやろー？と間延びした関西弁が返ってきた。

「坂田さんが栄養不足にならずに済む方法ってないんですか？私以外で」
「なーんや、俺のこと聞いてくれるんかと思えば。他の男の心配？妬けるねー」

あ、これは地雷だったのか･･･。口角は上がっているけど、目が笑っていない。いわゆる貼り付けた笑み。聞かなきゃ良かった。

「俺らの食べとうお菓子ってめちゃくちゃ甘くて、坂田は甘いもん苦手なんよ。そこまで甘くない、かつ淫魔の必要な栄養が含まれたお菓子があれば良いんやけどねー」

つまり、今魔界にはないと。なら･･･

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