超東京の狼ガール。Ⅲ (ページ14)

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「はー…やっと終わった」

救助を終え、用心棒さんたちに連れられて入っていたビルで、後ろから聞いたことのある声がした
声の主は先程変な猛獣に襲われていたAのお兄さん
ワープゲートのようなところから出てきたばかりの彼は目を閉じているAを抱いていた
なぜかその後ろの人も黄色いカモフラジャケットの青年を担いでいる

「クロード、着いたぞ！」

「動けなそうだったらこのままでもいいけど、いけそう？」

「大丈夫だ、後はもうケインを信じるだけだし。ありがとうなスキート、重かったろ」

クロードと呼ばれた青年はスキートと呼ばれた青年の背中から離れて、そのまま床に寝転がった

「あ、やっぱ座ってる気力ねぇや。お前ら後始末頼んだぞ…」

そういうや否や目を伏せて寝息を立て始めた彼。
と、呆れたような顔をした白髪の青年はこちらにやってきた

「マキナちゃんとリコちゃん、だよね？」

「はい、Aのお兄さんですよね？」

弱々しく笑った彼はAを横たわらせると、雨に濡れた彼女の頬を拭った

「…Aに妹って言うと怒られるんだけどね」

顔を見合わせた私達2人にお兄さんは更に眉毛を下げた

「2人とも孤児で一緒に育ってきた仲なんだ…だからさ、ちょっと変な子だとは思うんだけどAとこれからも仲良くしてやってくれないか？」