やくそく ／三守 ページ31
.前話は某日をクリック
「じゃあ、手を振りますね！ かあ」
Aちゃん、小さくて見えるわけない。
なんて思ったことをそのままメッセージとして送るのを取り消し、
人にあふれた改札付近で辺りをキョロキョロと見渡すと、
ひとりぴょんぴょんと跳ねたり大きく手を振ったりと
明らかに不審な行動をしているのを見つけた。
「私のほうが三守さんを見つけるの早かった」
「だったら声かけてよ！」
「あ、そっか」
へへっと笑うAちゃんだが、この前久々に会った時は大人っぽいと感じたとはいえその姿はまだ子供のようだ。
年下だからそう思えちゃうのかもだけどね。
「えへ、三守さんと旅行行けて嬉しいです」
「卒業してしばらくバタバタしちゃうから早めに行っておかないとね」
某日、実は彼女と旅行の約束を交わしていた。ので、今日はそれを果たす日。
結構前だったのにもかかわらずAちゃんは旅行のことを覚えていて、旅行についてメッセージを送ったとき「ようやくだ！」と喜んでいたっていうのをその場にいた山本さんから聞いてこちらも嬉しくなった。
僕らは大人だけど近々に用事があるということで国内旅行だけど、それでも彼女がのんびりと過ごしてくれたらいいなと思って。
日も落ちてきて暗くなってきたころ、風情のあるお店で出された鮮やかなコースを食べているとぽつりとAちゃんが呟いたのを僕は聞きながさなかった。
「あんまり、会えなくなるな」
「……ごめんね」
「三守さんは、夢のためにがんばってるからそれを妨げることはしないよ！ でも、ちょっとさみしくなっただけだよ」
「僕も、さみしいなあ」
それを聞くと力なく笑ったAちゃん。
僕はもう学生をやめるので、今までより忙しない日々が続くことになる。それにQuizKnockも変わり僕が続けられる範囲は限りなく狭まった。
必然的にライターのみんなも、もちろんAちゃんにだってなかなか会えなくなるだろう。
……さみしいなあ。
「三守さん、がんばって」
「がんばるよ。Aちゃんも夢に向かってがんばれ」
「夢、かあ」
「Aちゃんの夢は？」
「……また三守さんと旅行すること？」
「はははっ！ じゃあ、約束ね」
うん！ と強く頷いたAちゃんと小指をからめる。あの日と同じように。
またこうして他愛もない会話をできたらいいな。
Aちゃんのまぶしい笑顔を見ながら想いを馳せるのでした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷよーこ(プロフ) - 最初の頃にリクエストした『鶴崎くんのかわいいお話』ありがとうございました。これからも、書きたいものを無理のない範囲で書いていってほしいなと思っています。これからも応援してます(*≧∀≦*) (2019年1月10日 23時) (
レス) id: 53d0fc1d02 (このIDを非表示/違反報告)
もも - そうなんですか…もっと真白さんの作品を見たかったけど、しょうがないですね。 じゃあ…男子たちの取り合いでお願いします。 悲しいけど、私はいつまでも待ってます！ (2019年1月2日 21時) (レス) id: 172f64fb94 (このIDを非表示/違反報告)
もも - あと、私自身がクッキーを作るのにハマっていて… 再びリクエストさせてください… 東大王の男子4人と付き合っていて、カフェを営んでいたら…っていうのか見たいです。よろしくお願いします。 (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 妄想が異常なほどに膨らんでくるww 東大王の男子とデートするの楽しいんだろうな…(リクエストです) 作者さんの小説、大好きです！ *光ちゃんとお話(胸が小さいのがコンプレックスの主人公が相談する) *男子4人に取り合いされる (リクエスト2です) (2018年12月29日 7時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
もも[砂川さん推し] - 東大王の男子との交際秘話では、男子4人が主人公とどこで会ったのか、結婚したらとかそんな感じです。松丸くんのお話では、主人公との交際秘話をひたすら語るというお話です。きっかけとかお互いの好きなところとかを話すという話です。分かりにくくてすいません<○> (2018年12月17日 18時) (レス) id: 767566c530 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
