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ホテルの広いベッドの上ではなく、狭苦しい車内のシートで押し倒したAには抵抗も怯えも恐れもなかった。ただ全身で受け入れてくれるその様子に甘えてしまって、全部終わったあとにようやく気づいた。
抵抗なんてあるわけない。Aにとっての行為は、元よりそういうものだ。せっかく優しい行為を教え込んできたのに、このたった1回で俺は他の男と同じになってしまった。
Aと会ってしまえば、また同じことを繰り返してしまう。Aのことを自分の手によって壊してしまうことを恐れて、いつしかAとは連絡を取らなくなった。
そうして事件の真相はわからないまま、俺の正義の行方もわからないまま、とりあえず生きていくために工場で働くようになり、随分と時間が経ってしまった。
山守さんに会っても、それは変わらないままだったのに。
「…この動画、世に出す。私、工場のことも諦めないから。新しい取引先も探す。まだ時間はある。だから…正義は勝つよね？」
働いていた先の社長の娘、あかりは時々Aと重なって見えてしまって、あまり放ってはおけないと気にかけていた。
そんなあかりがボロボロになってまで掴んだ証拠が、俺の胸を熱くした。
出会った頃から全てを諦めていたAもこうして、1人戦うことがあったんだろうか。もしそうなら、Aが本当に求めていることを求められるように、俺が助けてやらないといけない。
俺の正義が掬い上げてしまったのだから、最後まで責任を持たないと。
「…お前すげぇよ」
自分の中で消えていた正義の炎なんてものが、再び灯った瞬間だった。
あかりが渡してくれたピアスは、その気持ちを忘れないように耳につけた。
まずは山守さんに言われた場所へと顔を出して、そのあとにAへ連絡を入れて謝る。
そう考えていたのに、行った先であっさりと再会を果たしてしまった。
「羽生さん。久しぶりだね？」
「A！？っ、なんでここに」
「Aは資金援助の形で手伝ってくれることになってる」
久しぶりに会ったAは髪も伸びて、少し大人びていた。それでも笑っている顔は変わらなくて、思わずその腕を掴んでしまう。
「…A、色々と悪かった」
「いいんだよ。また会えたんだから。羽生さんが戦うために、お手伝いさせていただきます」
Aがここにいるって言うのなら。山守さんにもそれを見透かされている気がしてならないが、俺もそれに乗ってやることにした。
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
