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「…どういうことですか？」
そこで私の名前が出てくるのは唐突で、素直に疑問を口にする。
私に出来ることなんて、ないはずなのに。
「私がやろうとしてることは公には出来ないこと。政界と繋いでくれる支援者もいるけれど、どんな活動をするにしても金銭援助は絶対に必要。だから、Aさんの…もっと言うと、Aさんの家の力を借りたい」
「……でも、私が関わる意義はない」
「つい最近、羽生くんと会ったわ。ここにも来てもらった」
「っ」
しばらく会っていなかった羽生さんとコンタクトが取れている。そのことに驚いた私は山守さんのことを見ると、私のその反応を見て山守さんは口元を緩めた。
「羽生くんも、1人で調べてたのね。上手く出来なかったって言ってたけれど」
やっぱり、羽生さんは事件の真相には辿り着けなかったのか。それであんな状態になって、私を呼び出したということ。
だいぶ時間が経ってからようやく合点がいった。
「1人じゃ出来ないことも、仲間でやれば出来る。そこにAさんの力もあれば、尚更」
「……」
「Aさん、私に…羽生くんのために、力を貸して」
そう言われてしまうと、私は弱い。
羽生さんのために自分で出来ることなら助けてあげたいと、確かに思っていたからだ。
結局、車を用意したぐらいで、私はまだ羽生さんのためにそこまでのことをしてあげられていない。
どうせ、私が私のお金と時間を自由に使えるのもあと少しだ。
それだったら。
「…これは、正義の戦いですか？」
「え？」
「藤田さんがあの日、羽生さんに言っていた正義の話。私は、正義の味方をする羽生さんのことが好きだから」
「……そうね。正義のための戦い」
山守さんのその言葉で、私は覚悟を決めた。
「わかりました。ただ、私は私のことを人として見ていないAの家が嫌いです。だから、Aの家の私ではなく、ただのAとして力を貸します。お金に関しては、それでも援助が出来るはずです」
「わかった。Aさん…とは呼ばない方がいいのかしら」
「そうですね。Aと呼んでください」
「A、賛同してくれてありがとう」
山守さんが手を差し出して、私はそれに応じて握手をする。
理不尽な社会や大きな力と戦うとか、そういう話にはあまり興味はない。私は、正義の味方である羽生さんに助けられて今がある。その羽生さんを助けたい。ただそれだけだ。
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ハニ(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年8月30日 17時) (
レス) id: e49c92eedc (このIDを非表示/違反報告)
kotono3026(プロフ) - 面白くて続きがすごく読みたいです！ (2022年7月11日 7時) (レス) @page18 id: 7aa8e8b85c (このIDを非表示/違反報告)
なずな - 続きを楽しみにしています！！ (2022年5月3日 6時) (レス) @page18 id: 3993a699bc (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続きを楽しみにしてます！ (2022年4月30日 19時) (レス) @page18 id: c5820b78bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - こんばんは。ちょくちょくこの小説を読みに来ているのですが更新がされていないようで寂しいです…。続きはあると思ってもよろしいでしょうか？ (2022年2月15日 5時) (レス) @page18 id: 8f49d2e699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2021年11月25日 19時
