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臣「俺が縋ってたのは、有紗じゃねえ。…有紗と一緒にいて幸せだったころの時間だ。」
…嘘。
だって、あたし、あの日聞いたもん。
「…傷。」
臣「…え?」
「傷、…どうなったの。」
臣「…っ…。」
''傷''というワードを聞いて、一瞬広臣の目が見開いたのを、あたしは見逃さなかった。
FNSの本番直後の非常口のそばで、隆二くんと話していた時。
あたしたちに気付いていなかった広臣が、電話をしながらあたしたちのそばまで来ていた。
その電話の内容をいち早く察知した隆二くんが、あたしに聞かれないようあたしの耳を塞ごうとしてくれていたのだけれど、間に合わず。
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''有紗の腹の傷も、…責任は俺が────……''
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何とも意味深な言葉だけをあたしに残した。
意味深といえど、その言葉だけで色んなことが推測できる。
きっと、広臣のファンにやられたとか…そんなじゃないかな。
だから、広臣が責任を取ろうとしてるんだ。
数ある憶測の中で、一番妥当だとして行き着いた答えがこれだった。
「その傷も、広臣が関わってるんでしょ?」
臣「…A「無責任なこと言わないで…。」
思わず遮ったあたしを見て、広臣が困った顔をした。
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尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時