検索窓
今日:1 hit、昨日:52 hit、合計:811,330 hit

○*。322 ページ35

.




その小さな背中を見送ると、代わりに近づいてくるのは健二郎くん。




隆「…健二郎くん。」



健「胸貸そうか。」



隆「男の胸で泣く趣味はないよ。」



健「そうか。」




不思議だ。この人には、人を落ち着かせる効果が宿っているらしい。




健「で?何したの?」



隆「どさくさに紛れて抱きしめちゃいました。」



健「お。やるじゃん。」




笑いを含んだ声で、健二郎くんが俺の肩をバシッと叩いた。




彼は、俺がAちゃんに好意を抱いていることを知っていた。



決して俺からは告げていない。



臣と三人で呑みに言った日に、臣が彼女のことを話しているときの俺の顔を見て悟り、


それを問い詰められたのがほんの2週間ほど前。



唐突なその問いにバカ正直に取り乱した俺を見て、確信したらしい。



それからは健二郎くんも根掘り葉掘り探ろうともせず、俺も真実をダイレクトに伝えることもせず、今日に至る。



こればっかりは、さすが多くの時間を共にしてきたメンバーだなあとつくづく痛感した。




隆「…健二郎くんが来てくれなきゃさらってたかも。あのまま。」


健「おいおい。」



いっきに脱力してへなへなとその場にしゃがみこんだ俺に、呆れた声の健二郎くん。




.

○*。323→←○*。321



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1223 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1935人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。