契約済み。

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翌日。事務所の会議室前。


ドアノブを掴んだ手を一旦戻し、小さく深呼吸を繰り返す。


よしっ、と意気込むと再びドアノブを掴んだ。


ガチャッ


「おはようございますっ…！！」


プロ「おお！来たな！！」


姿勢を正して礼をしたあたしを、先日あたしを厳しい言葉で痛めつけたプロデューサーが明るい笑顔で迎えた。



「あの…、ランキングの件、ありがとうございました。」


プロ「俺もびっくりしたよー。しかもまさかの着うたランキング。しかもしかも、まさかの初登場8位。



なかなかないよー？こんなに急に世間の目にとまることなんか。」


心底感心したように、腕を組みながら大きく頷くプロデューサー。


なかなか聞くことのないプロデューサーからの褒め言葉に、自然と顔がほころんだ。


プロ「今はお前自身の注目っていうよりも、登坂が番組でお前を売ったってことのほうが大きいが、ファンからの特に大きな批判もない。


新曲をだすなら、今だな。」



「はい。この前追い返された新曲の案…練り直してきたんです。

あの、聴いていただけますか？」


鞄の中から、今の私に出来る全てを注いだ渾身の一曲のデモテープを取り出した。

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_________その日の打ち合わせは、実に3時間にも及んだ。


あたしは、確かな実感と自信を掴み始めていた。


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