契約済み。

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？『あー、もしもし。』


……！！！


この声。



テレビで何度も、聞く声。



そして、


_______この前あたしに最低最悪なこと言った、最低最悪な男の声。



「…登坂さん、ですか。」



臣『あー、うん。よくわかったね。』



耳元で聞こえる声の調子からして、登坂さんは謝る素振りがさらさらない様子。



「…なんですか。」



こないだの一件で、登坂さんの印象が一気に悪いものへと変わったあたしの口調も、自然とぶっきらぼうなものになる。



臣『こないだのことだよ。つーか、顔殴るのはねーよ、Aちゃん。しかも、グーパン。仮にも商売道具だし、これ。」



それは、…あたしもひそかに申し訳なく思ってたことだったので、素直に謝る。




「…すいません。」



臣『まあ、特にあざになったわけでもないからいいけどね。


…んで、どう？決めた？」



…は？



え、なんのこと。



「なんのことですか？」



臣『はー、あんだけ気持ちよくグーパンくらわしといて、覚えてねえとかやめろよなー。


…契約のこと。』



……！！！



え、待って。



あれは、あたしのやる気を起こすための作戦だったはず。



それで、いくら冗談でもそれはないだろって腹が立ったあたしが、登坂さんにグーパンをお見舞いして。




え。


…ってことは、なに。



あれはただの作戦だって、あたしが勝手に割り切ってただけってこと…？



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