短編SHOW Part2 （しょーさんのおはなし中心） (ページ5)

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風邪声ページ5

『もしもし？A？』

『も゛し゛も゛し゛…』

ん？？どうしてこんな声なんだ？

明らかにおかしな声をしてる。

『風邪引いた？』

『うん。そうみたい。』

『大丈夫なの？俺、今から行こうか？』

『ううん。いい。寝てれば大丈夫。』

そんな電話をしてから一週間。

『もじもじ…』

『あれ？お前まだ風邪治ってねぇの？』

『うぅ～ん、咳と鼻水が治らなくって…』

ねぇ、それってただの風邪？？

電話口で咳するAの咳はかなり辛そうな、あんまりよくねぇんじゃね？って感じの咳。

来なくていいって言うAを押し退けて俺は電話を切った後、Aの家に行った。

『翔…移すから来なくていいのに…』

そう言いながら俺のコーヒーを出してくれる。

『Aちょっとここ座って？』

俺の隣のソファーに座るよう言うと、大人しく座ったA。

俺は鞄から前に映画の撮影で使用していた聴診器を取り出す。

『はいっ、Aさん、今から診察しますよ。』

『は？何言ってんの？バカじゃない？』

立ち上がり、ソファーから離れようとするAの腕を引っ張りまたソファーに座らせた。

観念したかのようにAが上着を捲りあげた。

下着の上から聴診器を当てる俺。

こうやってAの心音聞くってなかなかないよな。
俺の理性がどこまで保たれるかわかんねぇ！！

ん？？聴診器をポンポンと当ててあるところで音が違うことに気付いた。

ゼロゼロしてるっつーか、雑音が多いっつーか、明らかに健康体の心音じゃねぇのは分かった。