９８話 変化球 [相葉] ページ26
「俺、仕事だから行くね」
いやなヤツにはなりたくないのに
大ちゃん、ごめん。
って心の中で思うくせに
自分でもびっくりするくらい低い声が出た。
おんなじラインに立ってると思ってた仲間が
いつの間にか、俺を残して進んでるみたいな。
不安。
ニノ「ちょっと見てきますわ」
ニノの声から逃げるように
玄関の扉を閉めた。
ああ。
こんなすぐ反省するなら言わなきゃいいのに
さっき取った態度が情けなくって
不機嫌になったってしょーがないことも分かってて。
虚しい。
幸せなんだよね？
きっとそうだよね。
けど俺はやっぱさ、寂しい、かな。
ニノ「待って。野暮用の前に話」
なんだよもう。
「…もうほっといてよ」
ニノ「ほっとけない」
「ニノも同じでしょ。6年経ったらそりゃ普通忘れるよね。馬鹿みたいにずっと引きずってるって、自分でも思うよでも」
ニノ「違うよ」
「違くない」
ニノ「今日ココにきたのは別の理由」
「ウソだ」
ニノ「あなたの用事がなんなのか知らないけどさ」
ふうって小さく息を吐くニノは
ニノ「心配だったんだよ、あなたが」
俺より不機嫌そうに、茶色いまつ毛を揺らす。
「なにがだよ」
ニノ「一人で色々抱え込むでしょ。6年経って何してるかなあと思えば、未だにこのきったねえ家に居候して」
「余計なお世話だよ。今日来たばっかだし」
ニノ「だからもう待つの止めようよ！」
やっぱそういうんじゃん。
そんな事…俺だってわかってる。
「もうたくさん。ほっといてよ」
ニノ「最後まで聞けよ。俺はさ、
会いに行こうよって言いにきたんです」
、、、へ？
ニノ「聞こえませんでした？」
「だって…」
会いに、行く？
って、どこに？
ニノ「だーかーら、
天国っつうとこにいきゃ、会えるわけでしょ？だったら待たずに行きゃいいじゃん」
「ニノ、何言ってんの？」
ニノ「変なこと言ってないよ？」
「…みんなも、そのつもりで来てるの？」
ニノ「さあ。二人のことはわかんない。俺もずっと連絡取ってなかったし」
「…お、俺の野暮用はっ？どうすんのさ」
ニノ「翔ちゃん引っ張り出してから済ませましょう。野暮用っつうくらいの用事ならね」
「野暮用…」
ニノ「なによ」
隣にいる、俺より小さなモンスターに
開いた口がふさがらない。
「吉川A！これから世界一大切に見送らなきゃ行けない人に会いに行くの！」
ニノ「えーっ？！」
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あかり - ぜひ見させていただきます！！ (2015年8月9日 21時) (
レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - あかりさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！よければ他の作品もよろしくお願いします。 (2015年8月9日 20時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とてもおもしろかったです！完結おめでとうございます((o(*>ω<*)o)) (2015年8月5日 21時) (レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - 花夜さん» 花夜さん、ありがとうございます。今後の励みになります♪ (2015年7月30日 22時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
花夜 - 凄く面白いです!!! (2015年7月27日 15時) (レス) id: 7e159a367e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2015年5月20日 17時
