【妖怪ウォッチ】シャーマン少女と本家大将大ガマさん。part４

蜘蛛の窖 ページ26

「いやぁ悪かったよキュウビ！実は色々...へぶっ！！」

「色々？何？君のことだからどうせロクでもない色々なんだろう？」

狐の恨みは余程のものらしく、話そうとするヘンテコ男の顔面を何の躊躇もなく、冷徹顔で踏み続けている。

そんな光景を唖然と眺めていれば、ふと隣のマフラーと目が合った。
マフラーは、殆ど顔を隠しているせいか表情が全く読めない。
気まずいので、とりあえず会釈をすれば
マフラーも小さく頭を下げた。

その後。狐の猛攻はウンさんによって止められた。

「いやぁまさかのキュウビさんと、オロチさんだったんですねー！驚きました！ウィス！」

アセアセとウンさんが場を取り持つように言った。
狐は相変わらず機嫌が悪そうで、マフラーは相変わらず無表情。
ヘンテコ男は踏まれてたせいで鼻血が止まらないし、天野くんは心の傷のせいで廃人みたいになってるし。
何このパーティ。とおもったその時。マフラーが口を開いた。

「人間の娘」

「...え？」

「私はオロチという者だ。姿を戻してくれて感謝する。」

「え、あ。どうも」

マフラーはやっぱり中性的な声でそう言った。
礼儀正しいな。なんて思っていれば今度は狐が口を開いた

「僕はキュウビ。君、人間の癖に変な力を持ってるんだね。まぁ、元に戻してくれたことはお礼を言うよ。どうもありがとう」

「え、あ。はい」

狐はとにかく偉そうだった。
爪を手入れしながらお礼を言われても...。と思ったが面倒くさそうなので何も言わずにおいた。
さてここからが本題だ。
ヘンテコ男を筆頭に、狐とマフラーにことの次第を説明する。
今度は一連の流れを聞いた狐とマフラーが、語り出した。

それによると、やはり狐とマフラーもあのチチ女に協力とやらをお願いされたらしい。
言わずもがな断れば、次の瞬間には力を奪われただの狐と蛇に...。

「成程。少々頂けない話だねぇ。その人間達とドウマとかいう奴は僕達の力を何に使うつもりなんだい？」

「大ガマ殿もあの女に出会っていたとは...。ということは土蜘蛛殿もその女と接触した...ということになるな」

マフラーから飛び出た、土蜘蛛という単語。
その言葉に、ヘンテコ男が身を乗り出す。

「やっぱり、土蜘蛛も！？」

「...ええ。実は、私が力を奪われる前に、土蜘蛛殿が...。私はその原因を探っていた途中でした。それに人間が絡んでいたとは」

マフラーは悔しそうな声音でそう言った。

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