蜘蛛の窖 ページ23
「うーむ。結局のところ、何だったんですかねぇ」
校庭のど真ん中。未だ心の傷が癒えない天野くんと私の間でウンさんが眉間にシワを寄せている。
「とりあえず分かったことをまとめようか」
ヘンテコ男が珍しくまともな事を言った。
奴は木の棒で地面にガリガリと知りえた情報を書いてゆく。
先程の事で分かったことは、ドウマというのは人の名前で姿形が男の子。
しかし、その正体は不明。
そして、酒呑童子という鬼の妖怪の存在。
あの双子ポテトの親玉はドウマ。
この三つだ。
「ん。こんなもんか」
お世辞にも達筆とはいえない字で、それらを書き出したヘンテコ男が声を上げる。
「まずは、ドウマとかいうあのガキの正体だな。あのエロケツ女とその弟が俺達妖怪の力を奪って何かしようとしてるのは、あのガキの命令みてぇだし」
「そうですねぇ。しかし、ウキウキペディアにドウマという単語の登録がありません。有能なアタクシもドウマという人物に聞き覚えはありませんし...」
「元々ウンコには期待しちゃいねぇよ」
「ガーーン!!!!!」
ヘンテコ男はんー。と唸った後で、あ。と声を上げた。
そして、ビッと木の枝の先をウンさんに向けたのだ。
「酒呑童子...。アイツたしか平安時代の妖怪だよな」
「え!?あ、そうでウィス!しかし、酒呑童子は妖怪事典からも抹消されて殆ど情報が残ってませんよ?」
ウンさんが困ったようにヘンテコ男に告げたが、ヘンテコ男はアテがあるのか不敵な笑みを浮かべる。
「生憎。俺も平安時代より後に生まれたクチなんでな。アレのことはよく知らねぇんだ」
「でしょうね。じゃあ何故そんなドヤ顔を?」
「俺達が知らねぇ時代の事は、その時代を生きた奴に聞けばいい。だろ?」
ウンさんは、あからさまに。はぁ?みたいな表情を浮かべている。
それは私も同じで、何言ってんだコイツ。みたいな目を向けてやった。
「しかしですよ?大ガマ先輩...平安時代から生きている奴。なんて...」
「いるだろ?お硬いしかめっ面がお似合いの...つぶあん野郎が」
「...お硬いしかめっ面の...つぶあん...。ああーーー!!!」
ウンさんが奇声を上げた。思わずウンさんを二度見する。
「土蜘蛛先輩ですね!!成程!あの方は平安時代をも生きた由緒正しい古典妖怪!!」
「土蜘蛛に借り作るみてぇでアレだが、アイツならなんか知ってるかもしれねぇ!」
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ぼん(プロフ) - よもぎたん(´ω`*/)さん» こんばんわ!ありがとうございます!お名前変えたんですね^^*もしかして前もコメント下さったよもぎたんさんだったのですか!?←違ったらすみませんッカッパー回やっとこ見れました!俺のことディスってんの?でキュン玉持ってかれてしまいましたよ(*´Д`*)オチツケ (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyearさん» こんばんわ^^*ありがとうございますー!そうなんです^^;私自身続くのか!と驚いていまして←妄想小説がここまで続けられるのも皆様のおかげだと思ってます!過去編もよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月2日 2時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎたん(´ω`*/) - 続編おめでとうございますっ!元ノアです!名前変更しました!(^_^)/これからも頑張って下さいね!あ、あと次のへんじの時にカッパーの回見れたか教えて下さい!! (2015年12月1日 19時) (レス) id: 594dce396d (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ@まだ新年じゃないけど頭の中はHappy Newyear - 続編おめでとうございます!このシリーズ長くなりそうですね、part4ができた時コメしそびれました(^^|||それでは過去編頑張ってください!!!(*´∀`)ノシ (2015年12月1日 17時) (レス) id: b77eab5f4a (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - ロキさん» こんにちわ!はじめまして^^*コメントありがとうございます!過去編頑張って更新して参りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2015年12月1日 17時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぼん | 作成日時:2015年11月7日 1時