【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ45
「今この坊やは私の手中にある。それ以上近づくなら、貴方の目の前で坊やの全身の骨を折って上げましょう」
「……っ」
「ふふ。お兄さんと違って聞き分けが良い弟ね……。貴方たちのことはよく知ってるわ。罪人の父を持つ可哀想な双子の兄弟」
女は愉快そうにそう言って笑った。
それに驚いたのは、言わずもがなノルカとソルカ自身だ。
「な、何故それを……」
「さぁ？何故でしょうね。でもそれを知ったところで何になるというの？」
女はクスクスと笑って目を細めた。
「今貴方達が本当に聞きたいことは別にあるのでしょう？」
「……」
「あのお嬢ちゃんが食べた飴……。」
挑発するような女に、すかさずノルカが声を荒らげた。
「ッてめぇか！！！ラビィに何しやがった！！……っぅあ！」
「煩いね。少しお黙りなさい。」
激昴するノルカを更に締め上げた女は苦しむ彼を冷徹な眼差しで見つめた後で、再びソルカに視線を向けた。
「あの飴はね。私が愛情を注いで作った特性の飴だよ。その証拠にね……。同族にはとても美味なものに感じるのよ？」
含み笑いでそう言った女に、ノルカもソルカも目を見開いた。
ーその飴なんだか凄く変な匂いがしたんだ。
先程ラビィの友達が言っていた言葉が二人の脳裏を過ぎる。
だとすると、この女は初めからラビィを狙って……。
「な、なんで。ラビィを……」
怒り、悲しみ、言いようのない感情に唇を震わせたソルカが小さく呟く。
女はフフッと小さく笑った。
「ノルカ、ソルカ。貴方達と一緒にいるからよ。理由はそれ以上でも以下でもない。」
「……な、なんだよ。それ……。だったら初めから僕達を狙えよ！！ラビィは関係ないだろ！！！」
「だって。あの子を本当の妹のように思っている貴方達なら……。ふふっ……あの子を餌にすればなんでも言うこと聞いてくれるじゃなぁい！？」
得体の知れない恐怖。
甘ったるく、鼻にかかったような声でそう言った女にノルカもソルカも悪寒が走った。
この女が何を考えているのか。全くもって理解ができない。
それが更に彼らの不安の種を成長させる材料となる。
「……い、一体何を」
「一体何が目的か？それを知る必要は貴方達にないの。単刀直入に言いましょうか？あの飴は毒よ。私の妖力があの子の命を少しずつ蝕んで行く。悪いけど、私が作った解毒剤を使わなければ……あの子は近い内死ぬわ」
「……っ」
【ノルソル過去編】善良な悪人達の話→←【ノルソル過去編】善良な悪人達の話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
story101(プロフ) - はい！ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (
レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ！お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお！そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ！！←怖い有難うございます！これからもよろしくお願いします(｡_｡*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい！もちろんです！応援してます！！ (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ！おおっ！流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス･:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー！これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
