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【ノルソル過去編】善良な悪人達の話 ページ11

「……なんだよ、これ」

ノルカの手元からするりと地図が滑り、舞う。
最果ての村を出てから、歩けど歩けど緑の森が続き……。
その先に広がっていたのは、先程の緑溢れる風景が嘘のような…荒廃した土地だった。
カラカラと干上がり、所々割れたその大地には元々木々が生えていたのだろう。
枯れ葉て、茶色く乾燥した。見る影もない植物の残骸。
そして何より印象深いのは、所々に点在する巨大な茶褐色の山々だった。
近くにあったそれに近づいてみれば、強烈な悪臭がノルカとソルカの嗅覚を刺激した。
それは、廃棄物の山。
風化しかけ、元は何だったのかも定かではないそれが山となり空気を汚しているのだ。

悪臭を含んだ乾燥した風に、晴れることない厚い雲。
どんよりと続くそれは、遥か彼方。地平線の向こうまで続いている。

ノルカとソルカはそんな荒廃した土地を踏みしめ、しばらく進んでみる。
そこでふと、振り返って言葉を失った。

自分達がやってきた…月都領域の方角。
そこはまるで水晶玉のような球体で囲まれ、その中に潤った情景がユラユラと揺れていた。

荒廃した土地に、ポツリ。それに似つかわしくない球体が鎮座している。
まるで、ガラス玉の中に煌びやかな装飾を施した置物のようだった。

対極の景色。
ノルカとソルカの目に映るそれは、曇天と静寂と相まってとても不気味なものに思えた。
ゴォッと風が鳴いて、二人の髪を攫ってゆく。

彼らはそれを映したまま、しばらく動けずにいた。

「……どういう、事だよ」

「……分からない。分からないけど……」

やっと零れた困惑の言葉。しかし、それ以上紡ぐことは無く再び沈黙が訪れた。

その時だった。
二人が感じたのは、服を引かれる感覚。
恐る恐るそちらを見やれば、ボロキレ同然の布を纏った自分達より頭二つ分ほど小さい子供が、ジィっと2人を見上げていたのだ。

「……」

この酷く不衛生で、荒廃した土地に生命体が存在する。それだけでも驚くべきことだが、ノルカとソルカが驚いたのはそれだけではない。
姿形は、自分達と同じ。2足で立ち腕も手もある。が、その頭部からは兎のような長耳が露出していた。更に肌は透けるように白く、鼻は獣の様なさまで、真っ赤な瞳には白目がない。
体毛は白く濃く、頭髪に続いて頬までを覆っていた。

兎人間。その言葉がピッタリと似合うそれは、明らかにノルカやソルカとは違う生命体であった。

その子供は、何も言わずただグイグイとノルカとソルカの服を引く。

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story101(プロフ) - はい!ぼんさんの作品、正座待機でお待ちしております。 (2016年12月25日 22時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - story101さん» こんばんわ!お久しぶりです^^*更新停滞申し訳ございません(><)ふぉお!そう言って頂けると喜びの舞を披露しちゃいますよ!!←怖い有難うございます!これからもよろしくお願いします(。_。*) (2016年12月25日 22時) (レス) id: c56038631b (このIDを非表示/違反報告)
story101(プロフ) - こんばんはまっくろワッサンです。私エンマ大王。特、にぼんさんの作品のエンマ大王の大ファンです。面白いのひと言に尽きるというか (2016年12月25日 21時) (レス) id: 8b873bc734 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - ぼんさん» いえいえ、それほどでも(照)(((はい!もちろんです!応援してます!! (2016年10月29日 0時) (レス) id: a285e02c29 (このIDを非表示/違反報告)
ぼん(プロフ) - こたつさん» こんばんわ!おおっ!流石こたつさん^^*仕事が早いでウィス・:*+.(( °ω° ))/.:+読み返して下さってありがとうございますー!これからも頑張りますのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2016年10月28日 1時) (レス) id: 5b2ccc4cc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぼん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年6月5日 4時

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