生きた証を、この世界に［桃］II

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ツアーも無事に終えて、またいつもの日常が戻ってきた。




手越の病状は、いい日も悪い日も本当にいろいろ。




それでも俺らは出来るだけ手越が苦しまないようにそばにいることを心がけた。




ただ、手越は相変わらず加減が利かない男だから......




ツアー期間は頑張りすぎなんじゃないかなって、俺らも心配になるぐらい気合が入ってたんだよね。




頑張りすぎたのか、それとも病気の進行なのか...... 最近、ツアー前までとは違う症状も出てきてる。




「今日も天気悪いね〜」

「最近、雨ばっかじゃね？」




ツアーが終わって迎えたのは、梅雨の季節。




俺らは最近、すっかり天気のことが気になるようになっていた。




「てごし、今日はどう？」

「うん...... 最近ずっとだから慣れてきちゃった、」




そう言いながらソファに寝転んで、おでこに冷えピタを貼ってる手越はただの病人。




っていうのも、最近頭痛が酷いんだって。




中でも雨の日は特に。




だから多分偏頭痛だろうなあとは思ってるんだけど、ありがたいことに仕事が立て込んでて、まだ病院に連れて行ってやれてない。




今日も朝からPV撮影でずっとスタジオにこもりっぱなしだけど、休憩ごとに休ませても頭痛は治ってないみたいだった。




「てごちゃん、お水いる？偏頭痛って、光がしんどいんだよね？目にタオル当てとく？」

「小山、そんなに問い詰めても答えられないだろ。笑」

「え〜っ、だって辛そうなの、可哀想なんだもん......」




さっきから小山がやたらと手越に世話を焼いてる。まあ、いつものことだけど。




たださ...... 小山、気づいてくんないかな。




「こやま、ちょっと声のトーン落としてやって」

「えっ...... ごめん、てごちゃん、頭に響いてた......？」




手越は優しいから、小山の声が響いてても言えないんだよ。




だからちょっと厳しいけど、俺が悪者になって言ってやらなきゃいけない。




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※ OFF WHITE様リクエストです。

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