生きた証を、この世界に［桃］

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次の日はオフだけど特に予定もなかったし、手越のことが気になって朝から病院に行った。




そしたら思ったより手越は元気そうで安心。本当に昨日は何回心臓止まりそうになったか......




「お腹空いたな〜〜」

「え、なんで？ご飯食べなかったの？」

「うん、昼からCTとか撮るからご飯食べないでくださいって言われちゃって」

「そうなんだ、キツイね」




昨日は多分何も食べてないんだろうし、検査終わったら何かご馳走してやるかって、心の中でこっそり思った。




「ごめん、増田さん。ちょっとトイレ行ってきていい？ずっと点滴してたからめっちゃトイレ近いわ」

「うん、いいけど、着いてくよ」

「いや、一人で行けるよ？」

「いーのっ、ほら」




トイレぐらい一人で行けるんだろうけど、まだちょっと足元がおぼつかない手越が見てて危なっかしい。




ここで待ってるねってトイレの前にいたら、手越はすぐに戻ってきた。




「早いね」

「そりゃ、男だもん。笑」




そんなこと言って笑いながら、また手越の身体を支えて病室に向かって歩いてたんだけど、少し歩いたところで急に手越が立ち止まった。




「え...... 手越、どうしたの？」




俯いたまま動かない手越の顔を覗いたら、目は開いてるけど瞳がゆらゆら揺れてて、さっきよりも顔色が悪い気がする。




「どうしたの？大丈夫？しんどい？」

「.......あれ、.......なに、これ...... おかし......」




途中まで何かを言いかけた手越の身体が急にグラッと揺れて、後ろに倒れそうになったところを咄嗟に受け止めた。




「ちょっ......！手越......っ、手越、！」




焦っちゃいけないのは分かってるのに、急に真っ青な顔して倒れた手越を見て思考が追いつかなかった。




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