第三話 裕翔と隠し事 ▽In/Yt ページ14
「よっ、門限破り」
「い゛！？〜っおまえ〜っ…！」
「へへ、仕返し(笑)」
昨日、涼介が門限を破って叱られたことは噂で聞いていた。
誰が叱られた、理由はどうだった。そんなことはこの寮ではすぐ噂になる。
前日の仕返しとばかりに、後ろから忍び寄ってバシリとお尻を叩いた奏汰は、恨めしそうに睨んでくる涼介ににやりと笑い返す。
「冗談抜きで痛いからやめろ…」
「え？でも遅れたのって１０分そこらでしょ？一昨日の俺に比べたらマシじゃん」
「いや、なんつーか……。や、お前もわかるよそのうち、」
「？」
まさかお尻を叩くのに『道具』なんてものがあるなんて思いもしなかった。
そして、一年生の第一号が自分になることも…
門限破り常習犯の奏汰ならいずれ近いうちに事情を知るだろうと、涼介はあえて何も言わなかった。
それよりも、昨日ものさしで叩かれたお尻が痛くて仕方ない。
そんなことは露知らず、隙を見てはお尻を叩いてやろうと狙ってくる奏汰との攻防を、裕翔は呆れながら見ていた。
「カナちゃん、いい加減やめてあげな？やまが可哀そうだよ」
「えーっ、だって昨日俺もされたし！」
「一回だけだったでしょ。ほら、もうおしまい」
「むぅ…裕翔はほんとに真面目だよね…」
「それ褒め言葉でしょ？ありがと」
「くっ…奏汰も裕翔には勝てねーのな(笑)」
「うぅ…なんか俺が子供みたいじゃんっ…いーよもうっ、やめるよっ」
膨れてしまった奏汰を見て、裕翔と涼介は顔を見合わせてクスクス笑う。
「…でもほんとに、裕翔は真面目だよな。先輩に叱られたのだって…何回？」
「まだ一回だけ、かな。ちょっと油断してて門限破った時に」
「マジで！？奏汰じゃないけど、なんか俺も自信なくすわ…」
「なんの自信、それ(笑)」
「俺らの代は裕翔が寮長で決定だな…」
「あっそれいいね！俺、ルームメイトだから大目に見てくれるよね？」
ぱっと機嫌を直して会話に参加する奏汰。
裕翔が寮長になれば自分は大目にみてもらえると思ったらしいのだが…
「ばぁか。裕翔がそんなことするわけねーだろ」
「そうだね。そういう不公平なことするつもりないから。だからその考えは改めてね？嫌だよ俺、毎日カナちゃんのことお仕置きするの」
「…やっぱ裕翔のこと寮長にするのやめよ、なんかほんとに毎日叱られそうでやだ…」
本気で嫌がる奏汰に思わず声を上げて笑う。
変わらない、いつもの登校風景だった。
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みつあめ(プロフ) - ともさん» ありがとうございます！何度も読んでいただいて嬉しい限りです😭‼️かなり不定期の更新ですが、今後ともよろしくお願いします！ (2022年10月24日 0時) (
レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 何回も読んでたお話だったので更新されて嬉しかったです！また楽しみにしています！ (2022年10月23日 17時) (レス) id: 5321468578 (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - ゆずかさん» コメントありがとうございます！可哀想な山田さん好きなんですよね…笑 お酒の話は構想としてありました！ので、時間はかかるかと思いますがお届けできるかと思います…！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - もしリクエストが可能であれば………調子になっちゃった年下君たちがタバコかお酒に手を出してみっちり叱られる作品も見てみたいです^ ^みつあめさんの作品大好きです。これからもお体に気をつけて無理なさらないでくださいね。ご自身のペースでの更新楽しみにしてます (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずか(プロフ) - お道具を使われる山ちゃんにゾクゾクしました。最高の作品をありがとうございます^_^ (2020年4月30日 2時) (レス) id: a1b53c5ee3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつあめ | 作成日時：2019年12月8日 18時
