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廉はため息をつきながら、ソファーの前に進む。
目の前には、帰ってきた姿のまま、ソファーで爆睡する妙齢の女性。
かろうじて上着が鞄の横に投げ捨ててあるが、メイクもそのままに倒れ込んでいる。
「もーー...」
いつもいつも人のことを寝汚いと言うが、実は自分も人のこと言えないよな、と廉は思う。
「まったく。高いんやでこのコート」
コートと鞄を所定の位置に片付けながら呟く。
仕事用に着回せて軽いコートが欲しい、という彼女のリクエストで廉が選んだ、シンプルなキャメルのコートは12月になると登場する彼女のお気に入りだ。
肌寒い部屋は暖房もついてない。
帰ってきたばかりだといいのだが、こんなとこで寝てたら、風邪を引いてしまう。
「そんな丸まって寝るんやったら、せめて暖房くらいオンにしてから寝てや」
顔を少し赤くしてぎゅっと子供のように丸まって眠る彼女に、その辺にあったブランケットをとりあえずかける。
本気で寝られたら困るから、この後起こさなきゃな、と思う。
酒が苦手な彼女は、たまの接待で仕方なく飲むと、こうして帰ってきて力尽きることがある。
人前では意地でも顔色を変えないため、弱いということが周りに気付かれず、気付くとキャパを超えてるパターンだ。
弱音を吐くのが下手な彼女らしく、心配の種の部分でもあった。
自分もコートを脱ぎ、荷物を置いて、着替えもせずまずは風呂場に向かう。
彼女を起こして風呂に叩き込むために、軽く湯船を洗って湯張りスイッチをおす。
まだ週の半ばのここで倒れると辛いのは彼女だ。
もう手遅れかもしれないが、深く寝入る前に起こして疲労をとらせないと。
廉はどこまでも甲斐甲斐しい自分を自分で褒めたくなった。
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まな - 一気読みしてしまいました！！無理のない頻度での投稿、楽しみにしてますね！ (2020年4月14日 0時) (
レス) id: 9c457a3c27 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - Nano.さん» ありがとうございます...！なるべくサクサクいけるよう頑張ります...！ (2020年3月17日 18時) (レス) id: 186150732f (このIDを非表示/違反報告)
Nano.(プロフ) - とても楽しくみています。次の更新をお待ちしています！ (2020年3月16日 12時) (レス) id: 03ff967dd1 (このIDを非表示/違反報告)
はなうたこ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます！このシーンから初めに思いついて描き始めたので嬉しいです！ (2020年2月19日 14時) (レス) id: 186150732f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - ど、ドキドキしました。キスしちゃうかと思った。廉君にとって、血のつながりはないけど、誰よりも何よりも、きっと自分よりも大切な存在が、お姉さんなんですね。すごく切なくて、大切さがひしひしと伝わってきました。 (2020年2月17日 15時) (レス) id: 6b92244ddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2020年2月13日 12時
