第一声 ページ2
A
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私は人が大嫌い。
何を考えているのか分からないし、
裏では何をしているのか分からない。
いつも、全てのものから逃げてばかりで
立ち向かう勇気が欲しかった。
(貴)「……」
ＰＣは苦手。チカチカ光るし、いろんな人がいるから。
ただ、私は毎日この一人薄暗い部屋で 折り紙を折って過ごしている。
(貴)(いつか…この鶴が１万羽になったら外に出てみようかな…)
少しのカーテンの隙間から見える空は、輝かしいほどの青だった。
コンコン
ドアをノックする音が響く。
(母)「A…お願いだから、出てきて。せめて、声を聴かせて。」
(貴)(お母さん…)
母の声が静かな部屋に響く
(母)「ここに、ご飯置いておくから…」
母は、静かにそう言うと去って行った。
キィ…
私は、母が行ったあと、ドアを静かに開ける。
ご飯とお味噌汁。大好きなハンバーグもあった。
少し、口に運んでみるが吐き気が込み上げてきた。
最終的には、ご飯を少しと、お味噌汁一口だけで、おなかがいっぱいになってしまった。
コトン…
お皿をまたドアの前に置き、
ベッドに横になって静かな曲をつける。
ポロン…ポロン…
静かなピアノの音が部屋の中に響く
(貴)「♪〜」
目を閉じて、久しぶりに声を出してみた。
(貴)「
唄をうたいましょう
誰かの希望にになりますように
唄をうたいましょう
誰かに言葉の花を届けるように
唄をうたいましょう
誰かの光になりますように
唄声はきっと
哀しい心を癒すから
唄声はきっと
あなたの支えになっているから
私の唄声響いていますか？
」
誰にも届かないその歌声。
もう、私は このまま 死ぬのかな…
ふと、目を閉じた。
この歌声を聞いている人がいる事にも気付かずに…
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作者名：ちびひよ | 作成日時：2013年4月22日 22時
