#24 ページ24
恐怖心がまだ収まらずに脈打つ心臓を右腕で押さえつけ、入口がある1階に着くのを待つ。
「はぁｯ、はぁｯ、」
体力を大幅に消費した事を今更ながら自覚する。
静かに、1階ですと言うアナウンスを聞く。
ドアが音も無く開き、狭い密室から開放される。
なるべく不自然に目立たないようにゆっくりと歩く。
追いかけてきていない事を確認して、外に出る。
軽々と逃走出来るこの病院の警備システムはどうなっているんだと思う。
さあっと風が吹いてきて、空を見上げる。
...これからどうしようかな。
特に行き先も決めずに病院を出たので、外出プランは一切立てていなかった。
何度も来ていた病院だから家には帰れる。
でも服装はパジャマ、と言うか患者服だから...そこら辺を歩いていると変な目で見られるだろう。
通報されるかもしれない。
被害妄想がどんどん広がっていく中、後ろから怒声が聞こえ意識を現実に戻した。
聞き覚えのある声。
病院の出入り口の自動ドアは透明で、ロビーが完全に見える。
中心で、ゆきむが言い争っていた。
追いかけて居たのではないかと一瞬思ったが、それ以外のメンバーは周りに居ないので、気配を消して病院に入り込んだ。
ゆきむの口論相手は僕と同じ患者服を着ていて、車椅子に乗っていた。
y「だから゛ｯ!」
?「だから何だよ゛!」
よく見ると、車椅子に乗っている人はスマホショップを出た後にぶつかった中学生だった。
純粋そうな表情とは一変、精一杯の威嚇をし敵意を丸出しにしている。
ゆきむと声質や話し方が似ていて、姉弟だと言う事に気付く。
他にも髪の色、手足が細いのも似ていた。
y「もう...あいつには会うんじゃねぇ!!」
?「嫌だ!」
どうなるんだろう、この言い争い。
思わず食い入って見てしまう。
v「あー、退いて退いてー!」
え、
m「A居た!!」
あ、
t「確保ーｯ!」
急な反応は僕のステータスにはインプットされていないため、あっさりと捕まってしまった。
左腕をてるちゃんのぶらぶらされても目線は一際目立った2人にあった。
y「ｯマジで話聞けよ!!」
?「うるせぇんだよ姉貴!!話聞かねぇのはそっちだろ!!」
そう言うなり、車椅子を回転させ何処かへ行ってしまった。
ゆきむはさっきの言葉が刺さったのか、呆然としたまま動かない。
悔しそうに俯き、拳を握る動作が見受けられる。
姉と言い立場のプライドなのだろうか、僕は1人っ子だから分からないけれど。
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花音(プロフ) - 初めまして!私も同じ気持ちです( ＴДＴ)ゆっくり休んで下さいね( ；∀；) (2022年5月17日 15時) (
レス) @page26 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 私もです…(´；ω；｀) 受け入れられる気がしないです… (2022年5月16日 20時) (レス) @page26 id: 32504c8e03 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - どタイプです。さいこうです。ありがとうございます😭 (2022年5月14日 10時) (レス) @page24 id: e34a02d390 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫騎。 | 作成日時：2022年4月16日 11時
