#19 ページ19
「...っだ、」
ベッドから床に落ちて背中が傷んだが、根気強く画面を睨み続ける。
会話に会話を被せ、時差が起きる事も少々。
喉が渇いて、キッチンの方に歩き出して冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の登場シーンが偏り過ぎて今はもう出る機会が無いので同情で出した。
いつの間にか気遣いが出来るようになっている僕、神。
自己肯定感を日々高めていく事で周りからの視線が痛くなってくる。
なんなんだろうね、これ。
別に誰と言った話し相手は居ない訳だが、返答が来るのを待つ。
自嘲し冷蔵庫の取手を掴み、開ける。
左手に握っていたスマホが震え、顔面に冷気を浴びながら確認する。
si『暇電だ。襲撃開始(｢・ω・)｢ｶﾞｵｰ』
その文章を一瞥し、すぐに顔を背け麦茶の入っているポットを取り出す。
食器棚からコップも取り出し、テーブルに1式を並べ、麦茶を注ぎだす。
横から何度も着信音が入っているが、今は忙しいのでと言う理由で応答しない。
推しに対する態度がこんなもので許される訳が無い事は重々承知の上で無視をする。
ゴク、と1口水分を補給した所で再度スマホを見る。
ミュートにして置いても画面がうるさい。
逃れられない事を知り、渋々受話器ボタンをタップする。
「...はい、」
si「お前、俺を無視するとはいい度胸してんじゃねぇかよ。」
随分ご立腹の様子で、宥めないと段々と悪化していく未来が見えた。
「...そう言えばさっき送られてきた動画、僕も作ろうと思っているんですよ。推しを褒めるのって言いなと思いまして。後...しゆちゃに見て欲しいですし。」
勿論、嘘。
si「えマジ!?待って、めっちゃ嬉しいんだけど!おいA、そこら辺のリスナーより良いの作れよ!?したら俺絶対見つけられるから!ちょいちょい、Aめっちゃ良い奴じゃぁん!何か誤解してたわ〜。」
馬鹿みたいに長文を喋ってきて、多分後半は何も聞いていない。
この人、詐欺とか引っかからないかな。
寧ろ心配になって来る。
僕も僕で人を騙す事が上手くなったなと思っている。
会話を脳内でリピートしていると、違和感があった。
「誤解...何を誤解していたんですか、?」
si「あ、」
数分、否、数秒だったのかもしれない。
それ位長い時間、僕としゆちゃの中に沈黙が出来た。
si「やっば、口滑った...(ﾎﾞｿｯ」
スマホを言う障害物の向こう側でしゆちゃに声がする。
何を言っているのかは分からない。
良い事では無い事は何となく察した。
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花音(プロフ) - 初めまして!私も同じ気持ちです( ＴДＴ)ゆっくり休んで下さいね( ；∀；) (2022年5月17日 15時) (
レス) @page26 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 私もです…(´；ω；｀) 受け入れられる気がしないです… (2022年5月16日 20時) (レス) @page26 id: 32504c8e03 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - どタイプです。さいこうです。ありがとうございます😭 (2022年5月14日 10時) (レス) @page24 id: e34a02d390 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫騎。 | 作成日時：2022年4月16日 11時
