熊本地震

第1夜_5 ページ6

母を待つために入ったコンビニは割れたワインの香りでいっぱいでクラクラした。


水を買ってすぐ外に出る。コンビニの店員さんの対応が素早かったおかげか、ある程度食べ物が残っていた。その時は買わなかったけど、買える時に買わないと後から後悔する。


待っている間は感が長く感じられた。どうにか地震が起きた直後にバスに乗れたらしい母は今落ち合うはずのコンビニに向かっているらしい。

前述したとおり母は英会話スクールのスタッフをしている。長年勤めており夜勤が多い。その日も夜勤の日だった。母自身地震の経験は多いのでさほど問題はなかったようだった。

母はふらふらしていたと思うけどでもしっかり歩いていて僕を抱きしめてくれた。その温かさと確実性にああ、母はここにいるんだな。その気持ちが感極まってぼろなきした。昔から、泣けなかった僕が少しだけ泣いたのを見て、また抱き締め返してくれた母のことは今でも尊敬している。


その後大急ぎで祖母宅に直行した。


祖母宅はその辺りじゃわかりやすい大きめの家で一人暮らしをしている。祖父は私がうまれる前には亡くなっていたのでまったく記憶がない。生きていたらおそらく90か80くらいのおじいちゃんだっただろうと思う。


「こんばんわー。」

と声をかけて祖母宅へ上がる長い廊下を歩いた先にあるキッチンにはたくさんの戸棚があり食器類が入っているのだがそれらはバラバラに壊れていたらしい片付けられた跡が残っており戸棚にはガムテープが貼られていた。



和室の方の大広間の方のにいくとガラスでできた襖(上の方は普通の襖と同じ和紙が張られているのだが、下の方はガラスでできていた。)は無事で親族の避難場所になっているらしい。

そこには従兄弟一家が先に避難しておりなんだかんだ言いながら呑気に過ごしていた。


従兄弟は一つ下の兄と五つ下の弟の2人がいる。小さい時からよく家に預けられていたので仲がいい。僕が一番上だったのもあってか2人は弟のような存在だった。


2人が無事だったことも安堵してか、僕らはその後その大広間で雑魚寝した。



翌日


基本朝は弱い僕が珍しく8時にお起きることができたその日、気がつけば一緒に泊まっていた両親はおらず、祖母に聞けば母の職場の片付けに2人で行っているとのことだった

一番描きたいのは食事のことなのだが、あいにく記憶力の悪い僕はいったいどのようにして食を乗り切ったのか一切記憶が残っていないので書けそうにない。

2日目＿ 朝→←御礼

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