花江さんとこの妹ちゃん。

おじさんキラー妹ちゃん ページ15

「…鬼灯様するのは、やめてください」


硬い声でそう言われて、俺はやりすぎたことを悟った。

そう言えば嬉しそうって言うよりも照れたような恥ずかしそうな感じだったか、と内心反省していると、妹ちゃんは更に続ける。


「私の前にいるのは“安元洋貴”さんであって、鬼灯様じゃないです。鬼灯様されたら、安元さんが見えなくなっちゃう」

「…え」

「私は、安元さんとお話がしたい、です。だから、貴方を見せてください」


一瞬何を言われたのか分からなくて、それでも数瞬掛けて噛み砕いて、自分の顔が熱くなったのが分かった。

俺は、彼女が好きだという鬼灯を演じてみせることで、差し障りのない応対をしようとしていたのか。猫に会いたいのも本当だけど、彼女とだって、会って話をしてみたいと思っていたのに。

自分を見せるつもりがなかった、のか。


「……こんなおじさんでいいの？」

「年齢なんて関係ないですよ。声優として人生を尽くす、尊敬すべき人だと思います」

「……うん…ん…ごめん、ありがとう…」


熱でもあるんじゃないかというくらい顔が熱くて、今自分がどんな顔をしているのか分からなくて、あまり見られたくなくて、両手で顔を覆った。

ああ、しばらくはこの顔の熱は引きそうにない。


≠


安元洋貴 @○○○

おじさんスタジオで猫耳付けた時だってこんな照れなかったよ…
なんなの今の若い子ってみんなああなの…こわい…

｜

花江夏樹 @○○○

アレはうちの妹だけなので安心してくださいｗ

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小野賢章 @○○○

少なくとも女の子でああなのは妹ちゃんだけだと思います！
俺だって人生であんなふうにキメたことない

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江口拓也 @○○○

いやだから何言われたの？！

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花江夏樹 @○○○

安元さんには黙秘権があります

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安元洋貴 @○○○

黙秘します

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江口拓也 @○○○

ねええええええ！！！

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