検索窓
今日:1 hit、昨日:38 hit、合計:103,267 hit

地下の再開−5 ページ28

「なくってよ・・・なくってよ・・・・・・笑う所だろうがァ!!」




『太宰氏ー、後で画質最高にして送りますわ』




「あ、Aちゃん撮ってたんだナイスー!」




「手前!!何撮ってやがんだ!!」




『・・・撮るなって、言われなかったし?』





うぐぐぐ・・・と唸りながら中原はきびすを返して歩き出した。太宰は指を指して煽りながら見送り、Aは大音量でループ再生していた。いっそこのまま帰ろうかなとまで思っている。
Aは実はSだったりする。





「はいこれ。Aちゃんの分」




『サングラス・・・あぁ。でもバレない?』




「大丈夫!やあ久しぶり!」




「え、あ、はい!」




「・・・ほらね」




『あぁ・・・人が多い!胃が痛い!キリキリ言ってるよ!これ』




お腹を抱きしめながら着いた情報保管室。太宰はファイルをばさばさと床に散らかし、"侵入しました"と言わんばかり。太宰氏・・・と頭を抱えるAの、胃痛の原因の一端は太宰では無いのだろうか。





そんなこと露知らずにデータベースの中を漁る太宰。呑気に歌っていた鼻歌は、あるページで止まった。ファイルを拾っていたAは、やはりかと言わんばかりの視線を送った。





組合(ギルド)・・・」




『・・・北欧の異能力者集団、で合ってます?』




「ああ」




『(フランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド、か)』





ファイルを戻しながらある男の名前がAの脳裏に浮かぶ。その男の名こそ、組合の団長。え?何故Aがその名を知っているかは・・・また別のお話。





太宰は、懐から出したUSBをパソコンに指して情報を盗む。Aは、スマホで裏社会のページを開いていた。
そのページのタブには、"組合"の文字が。





『(北米を縄張りにしているのか・・・でも何で中島氏を欲しがったんだ?フィッツジェラルドは何を欲している?)』




「・・・よし。読み込み完了。Aちゃん何時から気付いたの?組合のことに」




『そうですな・・・こないだ一日非番貰った日があったじゃないですか、その日に一時間費やしまして』




「へぇ・・・案外Aちゃん後輩思い?」




『いや・・・多分もっとどす黒いものの為に動いてると思いますぞ・・・ふひっ・・・』





太宰は、道化師のように口角の上がったAの顔を見逃さなかった。

相対−1→←地下の再開−4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (144 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
317人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

響輝@ロングスリーパー(プロフ) - か、完結…!?!?更新お願いしたいです!!!あ、勿論無理ない程度で。。。外の作品も素敵です!頑張ってください! (2022年1月14日 21時) (レス) @page44 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
(´・ω・`) - 安心してください。。私もイデア氏にしか見えないです。(白目) (2021年12月27日 15時) (レス) @page36 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主ちゃんがイデアくんだとしか思えない私は末期() (2021年11月23日 13時) (レス) @page14 id: a2bd06fd1d (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - 楽しみに待ってるので頑張ってください! (2021年10月25日 21時) (レス) @page44 id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
蓮蜜 - この作品は本当に面白いです!これからも頑張って下さい! (2021年10月23日 11時) (レス) id: a6fc2eacdc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Kaoru | 作成日時:2021年9月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。