僕が想うのは【裕×亜】

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さっき、不覚にも亜嵐さんにドキドキしてしまったから、深呼吸をして、うるさい心臓を落ち着かせる。



意味わかんない、亜嵐さんにドキドキするとかどうかしてる。



亜嵐さんも何考えてるのかわからない。



裕ちゃんが、余計な勘違いをしたらどうするの、と不安になった。



でも、すぐにある考えにたどり着いた。



『……全く、あの人は私の事からかって楽しんでるんだ……！』



そう思って、少し、また亜嵐さんのことが嫌にもなった。



でも、もう多少からかわれてても、裕ちゃんを振り向かせるためには藁にもすがる思いで。



嫌いな人に、すがらなきゃいけないほど、私の片想いは末期なのだから。



前は振り向いてもらえなくてもいい、報われなくていい、そう思ってたのに。



1度、“欲しい”と思ってしまったら、もう、それは戻れない一方通行の迷路の入口。



振り向いてもらえなくてもいい、と思ってたあの頃には戻れなかった。



『……こんなに、自分が』



裕ちゃんのこと好きだなんて知らなかった。



そこまで考えてから、ハッとして、手に持っていたiPhoneのロック画面を表示すると、集合時間の5分前になっていた。



『やばっ』



そう呟いて、急いでスタジオに戻ると、もう、残りの3人も揃っていた。



玲「おせーよ！笑」



『違う！私先に来てたもん！』



隼「はいはい笑」



末っ子コンビに馬鹿にされて、不貞腐れていると、亜嵐さんが近づいてきて、私の頭にぽんっと優しく手を乗せた。




亜「こらこら、Aちゃんはお前らより先に来てたよ笑」

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