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私の突然のその言葉に、驚いたように目を見開いた白濱さん。




『……もう、嫌なんです…。



誰かに、裕ちゃん取られるの、嫌なんです』




こんなこと、自分が本当は思っていたんだ、そう自分でも驚くぐらいだった。




ずっとずっと目を背けてきてたんだって改めて思った。




裕ちゃんは、私だけのものであってほしい。




そう思ったら、止まらなくて。




亜「……Aちゃん、泣いてるよ」



『……え?』




白濱さんが、どこか悲しそうにそう言ってきたから、自分の頰に手をやると確かに涙が伝っていた。



私、泣いてるの?



なん、で?



なんで、泣いてるの、私。



そう思いながら、白濱さんにゆっくり視線を移すと、白濱さんは眉を八の字にして口を開いた。




亜「そんなに驚くってことは、今まで裕太くんのことで泣いたこと、なかったんだね」




そう、白濱さんの手が私の頰に伝う、涙を優しく拭った。



その手は、とても暖かくて、余計に涙が溢れてくる。




『……なかった、泣いたこと』




おこがましいと思ったんだ。



裕ちゃんからの“応え”を期待していない、自分の気持ちはどうでもいいからそばにいたいなんて思った私が。



裕ちゃんを想って泣くのは、おこがましいと思ったんだ。




『裕ちゃんへの気持ちを、伝えないって決めた私には泣く資格すら、ないって思ったから……』




そう言うと、白濱さんは、私の頭に、ぽんっと優しく手を置いた。




亜「じゃあ、今はいっぱい泣くために、一回帰ろう」



『え?』



亜「裕太くん、振り向かせるって、決めたんでしょ?




じゃあ、もう泣く資格なんて有り余るほどあんじゃん。




今までの分、いっぱい泣こう。




話だって俺が聞いてやるし」

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桔梗(プロフ) - corochan0606さん» 話し方不安で仕方ないのであそう言って貰えると嬉しいです泣 (2019年2月14日 17時) (レス) id: 629eee7122 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - くうかさん» 喜んでもらえて嬉しいです泣 (2019年2月14日 17時) (レス) id: 629eee7122 (このIDを非表示/違反報告)
corochan0606(プロフ) - めちゃめちゃおもしろいですね!!ゆうぴの話し方とかあ〜こんな感じだなぁってそっくり!! 更新楽しみにしてます! (2019年2月13日 20時) (レス) id: b264c95e93 (このIDを非表示/違反報告)
くうか(プロフ) - 更新、めっちゃ嬉しいです! (2019年2月13日 20時) (レス) id: 148d4325a4 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - りおさん» でますよ!まだ書いてないだけです笑 (2019年2月1日 8時) (レス) id: 629eee7122 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桔梗 | 作成日時:2019年1月7日 17時

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