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izw side
川上を見送って、近くのベンチに腰を下ろしてスマホをいじる。
午前中は川上のおすすめばっかりだったし、午後は俺の行きたいところに連れまわしてやろ。
「こんにちは！あの、伊沢さんですよね」
聞き覚えのない声に顔を上げると、知らない女の子たちのグループに囲まれていた。
最近はＴＶの仕事を頂けることも増えて、街中で声をかけられることも増えた。いつもなら嬉しいのだが、正直今は鬱陶しい。適当に流したかったが、うまくいかなかった。
「やば、めっちゃイケメン」
川上に似た髪色の女が、なれなれしく話しかけてくる。見た目俺より若そうなのにタメ口。親しくもないのに。
「せっかくだからうちらと一緒に行きません？」
金髪女が強引に腕を絡ませてくる。気持ちが悪い。でもそんなこと言えないから、当たり障りのない返事をする。
「そーだねえ、どうしようか」
「いったらいいじゃないですか」
冷たい声がした。川上の視線が突き刺さる。
「それじゃ、俺はこれで」
川上が反対方向に走り出す。女子大生達の方も空気を読んだのか、頑張って下さいね〜なんていいながら逃げていった。
走って川上を追う。止まってほしくて腕を掴むと、思い切り振り払われた。
「っ川上」
「いいですよ。別に俺はいつでも会えますし、女の子達と仲良くしてきたらいいじゃないですか」
「そんな、」
「世間一般から見ても俺らの関係は普通じゃないです。それに、俺は、あんな可愛くもないですし、魅力的でもない、ですよ」
口調は明らかに怒ってる。でも川上の目は、怒ってるというよりむしろ,,,
「川上、何で泣いてんの」
「,,,っ」
一筋の涙が川上の頬を伝う。派手髪をくしゃりと撫でると、今度は抵抗されなかった。
「俺っ、あんな、普通の女の子なら簡単にあげられる幸せ、何一つあなたにあげられないです,,,だから、あの女の子が羨ましくて」
ふは、と思わず声が漏れる。
「そんなこと判ってるよ」
「え」
「所謂普通の幸せってやつが手に入らないのも、周りの目が冷たくなることも判ってた。でも川上と一緒に居たかったんだよ。それが、俺の幸せ」
そのまま恋人の手を握る。
「川上は俺の特別なの。だからこれからも、特別な幸せもっとくれない？」
「俺でいいなら、ぜひ」
遠慮がちに握り返してきた手が暖かい。
「さ、デート再開するか！今度は俺のとっておきの店に連れてってやるよ」
特別、と聞いた恋人の体温が上がった気がするのは気のせいだろうか。
fin
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颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!!良かったです♪いやぁqkの尊みは深さを知りませんね() (2020年6月4日 18時) (
レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - んんんんんなぁぁあ！！！尊いが溢れております、、うわぁぁ、、尊み謙信です、、 (2020年6月4日 17時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - すみれさん» ありがとうますっっっ!!!お待たせしてしまって申し訳ないです,,,続き執筆中ですので今しばらくお待ちをΣｂ( ｀・ω・´) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
すみれ(プロフ) - ぬうううぁぁあ！！好きです！！すごく！！続き楽しみにしてます…！ (2020年6月2日 5時) (レス) id: 9585eb17bb (このIDを非表示/違反報告)
颯楓(プロフ) - まままさん» おおあ良かった！とんでもないです、喜んで頂けて何よりですっ!!!いいですよね,,,重い話,,, (2020年5月29日 20時) (レス) id: 0a39adce2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：颯楓 | 作成日時：2020年5月18日 20時
