「好奇心」は自分の首を絞める〜Part7〜

Valentine’s day 赤井秀一4 ページ6

怒ってやろうとバッと秀一の顔を見上げ目を丸くした。

口元を指で隠し、目線を逸らして赤い顔をしていたから…

『…』

「…悪い」


珍しい顔にAは目を丸くしたまま固まる。


「その…嬉しくてつい…な…」


物凄い小さな声で言い訳をされた…


『……プッ…あはははははは！！！』


ジワジワと込み上げとうとう笑いだした。


『秀一さんが照れてるっ！珍しい！あははは！！』


笑い過ぎて涙が出てきた。それを指で拭って秀一を見ると…


『っ！』

「ホォー？笑える程余裕があると…」


ニヤ〜〜〜と段々悪い笑顔になる。
それと反対に段々と青ざめていくA…


『しゅ、秀一さん！ごめっ…んんん！！』


逃げようとしたが間に合わず、また後頭部を押さえられ深くキスをされる。
舌で口の酸素を奪われるくらい深いキス。
胸をドンドン押しても離れてくれない…


「……っは！」


ようやく満足し唇を離す…


「A…」


秀一は優しく名前を呼びかけたが…
ぐらりとAの体が揺れ、彼は直ぐに体を支えた。
顔を覗くと『はひゅ〜〜』と真っ赤な顔して目を回していた…


「しまった…またやり過ぎたか…」


ハァと溜息を吐き、Aを軽々と抱き上げる。
周りの人達はそんな二人をチラ見する、秀一は抱き上げた時Aの顔を見てふわりと笑った…

「(リア充爆発しろ)」
「(お幸せに…)」
「(はよ結婚しろ)」

そんな周囲の思いなど知らず秀一は車へと向かった。


Aが気が付いたのは車を走らせて暫くだった…


『あれ！？』

「起きたか？」

『私……ぎゃあああああ！！』


案の定叫んだAに秀一は苦笑いする。


「いい加減キスに慣れて欲しいんだがな？」

『なら普通のキスにしてくださいっ！』

「それじゃあ想いは伝わらんだろう？」

『ぐ…ぅぅ…』


そう言われては何も言い返せない…

そうこうしていると自宅に着いた。


『ありがとうございます、これマフラー…』


Aは秀一から借りたマフラーを渡す。


「いや、それは君が使うといい…俺はこっちのマフラーの方がいいんでね？」


秀一はAからもらったマフラーを出して見せる。


『使って頂けるなら…ありがたいです…』

「楽しい一日だった…気をつけて帰るんだぞ？」

『はい』


車から降り、歩道に上がればマスタングは去っていく…
秀一から貰ったマフラーを首に巻き顔を埋める…
彼の香りに少し頬を緩ませながらAは家へと入っていった…


Valentine 赤井秀一 fin

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