「好奇心」は自分の首を絞める〜Part7〜

可愛い子には旅をさせろ！2 ページ26

「いや…無いんだが…どれくらい行ってるんだ？」

『んー…2週間くらいですかね？』

「2週間も…」

さっきからなんなんだ？……あーあれか？調査対象が長い期間日本離れて探れないから気になる的な？


『2週間なんて直ぐですよ！』

「長いだろ…」


突然彼がギューッと抱きしめてくる。


『と、透さん！？』

「気をつけて行くんだぞ？」

『は、はい』

「向こうで男に言い寄られても「彼氏がいるから」って断れよ？」

『私彼氏いない…』

「断れよ？」

『は、はい！ちゃんと断ります！』

「はぁ…心配だな…」

『もう…何度も行ってるって言ったじゃないですか！大丈夫ですよ！』


そう言い切れば一度離れ肩を掴み、しっかり顔を見てくる。


「ちゃんとこまめに連絡しろよ？」

『頑張ります…』


その後も可愛い我が子を初めて旅行行かせる過保護な親並に色々言われたA。
暫くすればなんとか納得した透は帰ることにした。


「旅行行くの1週間後だったな？」

『はい』

「じゃあその前に一度出掛けようか。アメニティグッズとか見に行こう。」

『分かったよお母さん…』

「あ"？」

あ！やっべぇ！もー！さっきから母親みたいに色々言うもんだから！！

『わ、わーい！透さんとグッズ買いに行くの楽しみだなぁ〜！！！』


恐る恐る彼を見ると、いつの間にか顔が鼻が触れそうな程迫っていた。


『ヒッ！』

「俺は君の母親になった覚えはない…一度しっかり分からせてやろうか？」


グイッと腰を引き寄せられ、Aは身の危険を感じ涙目になる。


『すすす、すみませんでしたっ！』

「なら約束しろ」

『や、約束？』

「こまめに連絡すること、男に言い寄られてもちゃんと断ること！」


カタカタ震えながら頷けば満足したようで帰って行った…


『ふぅ…怖かった…』


リビングに戻りふと怪しい気配を感じる…


『ふんふんふーん♪』


鼻歌を歌いながら機械を取り出し調べていく…
するとやはり自分の服の襟の部分から盗聴器が出てきた。

やっぱりかあの野郎…女性には知られたくないプライバシーが…って言っても仕掛けるんだろうけどさ！

取り敢えずその服は夜洗濯機の中に放り込んでやると決め、Aはいそいそと旅行の準備を始めた。


次の日は昴に会いに行った。
工藤邸へ着けば直ぐに家の中へ招き入れてくれた。


「紅茶を今出しますね？」

『はい、ありがとうございます』


コポコポと紅茶を煎れている昴をソファーから覗いてみる。


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