零story8 ページ38
押されたスイッチについ反射的に止まる。
だが、そうすれば彼女の本音が聞けて好都合かと思い黙っていた。
そして紡がれる降谷への思い…居た堪れない気持ちで直ぐにでも抱きしめたくなるのも堪えていたのだが…
『このスイッチと共に…降谷さんへの想いも壊します!!!!』
「…まっ!!!!」
待ってくれ…!!やっとお前へ言おうと思っていたのに!!お前も俺が好きだったと分かって嬉しかったのに!!
壊さないでくれ!!俺はまだ何も伝えちゃいない!!
「待てA!!!」
慌てて追いかけるが、彼女は早かった。
普段なら直ぐに追いつくのに、こんな時だけ早くなる事に舌打ちが出そうになる。
途中で風見と会い、行方を聞く。その後何か言っていたようだが、今は構っていられない…
早く…早くあいつを捕まえなきゃ!!
だが、突然気配も何もしなくなり、不審に思って足を止めた。
「くそっ!…どこだ!?」
その時携帯が鳴り、画面を見ると風見からだった。
「こんな時に…っ!」
仕方ないので電話に出る。
「なんだ風見!何の用だ!?」
少し苛立った口調で聞くが、返事は返ってこず、少し雑音がした…
「風見…イタズラなら怒るぞ…?」
切ろうと思った矢先、電話から声が聞こえた…
それはさっきまで追っていた彼女の声…
驚いて携帯画面を確認すると、同時にメールが入っていることに気付き、見てみると地図があった…
「くそっ!そういう事か!!」
降谷は直ぐに駐車場へ向かい車に乗り込んだ。
携帯をスピーカーモードにし、二人の会話を聞きながら地図の場所へ車を飛ばす。
そして二人の元へ着き、Aを無理矢理引き連れ家まで向かう……
後は必死だった…手離したくなかった…
愛おしかった…傍にいて欲しいと願った…
そして……
『好きです…降谷さん…』
あぁ……やっと素直に言える……
「俺も好きだ…A…」
「ふぅ……」
降谷はシャワーを終え、着替えてガシガシと髪を拭きながら寝室に戻る。
そろそろ起こさないと、女性だから支度に時間がかかるだろう…
彼はAの耳元に顔を近付けた。
「A…そろそろ起きろ…」
『ん…』
モゾモゾと動き始め、ゴシゴシと目を擦る…
そんな仕草も愛おしくて堪らない。
「大丈夫か?」
『あ…降谷…さん…』
少し掠れた声で名前を呼び、少しずつ覚めてきた後、カァァっと顔を赤くさせた…
『あ…う…降谷さん…っ』
「ん?呼び方が違うんじゃないか?」
137人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時