零story2 ページ32
やっぱりイラついていたか…無理もない、俺もイラついた。
『さて…と』
Aはゴソゴソとポケットから小型の機械を取り出す。
『ふっふっふ〜。さっきの暴言＆セクハラ発言はバッチリ録音させてもらったからなぁ〜〜？
後はあいつの部署の女の子達と証拠をかき集めて……貴様の首なんぞいつでも飛ばせるようにしてやる……女を舐めんじゃねぇぞ？？』
その言葉を聞いて降谷はぶるっと身を震わせた。
あいつはあいつなりに強くやっていけそうだな…
そう思い、降谷はそこを離れた。
だが、辛いのはこれだけじゃない……
ある事件を解決しようと公安警察で犯人を追っていた。
だが、犯人の計画で爆弾を使われ、その爆弾に巻き込まれて仲間一人が命を落としてしまった…
その時の報告書を上に提出し、重い気持ちの中帰ろうと部署へ向かっていると、近くで声がした…
気になったのでそちらへ向かうと、隠れた場所で一人、自分の体を抱き締めるように身を縮ませ、啜り泣くAの姿があった…
降谷は一度隠れて考える…自分が出て慰めるべきか…
それとも見守るべきか…
そう考えていると、別の所から風見が出てきた。
「小桜…」
『か、風見さん…』
「泣いてるのか？」
『あ…すみません、大丈夫です』
「お前は初めてか…？」
『はい…この仕事を志願した時から、心の準備はしてきた筈でしたが…明日が我が身かと思うと…』
あぁ…確かに自分も最初は死への恐怖もあった…
そして大切な人を失うということも…
ここで持ち直すか、怖くなって公安を辞めるかだが…彼女はどっちだろうか？
『風見さん…私悔しいです…』
「悔しい？」
『はい…何も出来なかった自分が…そして今恐れてる自分が…風見さん…私もっと強くなりたい…強くなって人を…この国を守りたい…』
あぁ…彼女は強い…守られてる女性ではなく、自分で守れる人間になりたいとそう願う彼女の事を、降谷は少し見直す事になった。
「そうか…なら頑張れよ小桜。」
『はい、風見さん…』
風見がポンポンとAの頭を撫でる。
それを見た時、少し苛立ちを感じた。
もし、風見が出る前に自分が出て話を聞いていたら…？
いや、もしかしたら「自分」には気を張って話さないかもしれない…
風見だから話せたのだろうか…
そう思うと苛立ちは益々ハッキリした物になっていった……
この苛立ちの原因はよく分からないが、彼はこの時を期にAへのスキンシップを多くすることにした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 137人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (
レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます！！皆様の応援のお陰でやってこれました！！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます！色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw！ (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ！って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：九実
| 作成日時：2019年4月5日 11時
