零story ページ31
つぎの日、朝早くに目を覚ました降谷は隣でスヤスヤと眠るAを見つめる。
初めてだったのにかなり無理をさせてしまい、顔には泣いた後が残っていた。
「はぁ…俺も大人気ないな…」
反省はしても後悔はない…彼女と結ばれることは心待ちにしていたのだから…
その寝顔を見つめ、額にキスをした後ベッドから降りて支度を始める。
シャワーを浴びながらぼんやりと昔の事を思い出した……
出会いは風見に部下が出来たと知らせを受けた後、様子を見に行った時に出会った。
「女か…」
正直女性がこの仕事に長続きしないと思っている。前もいたが、やはり身が持たない奴が多かった。
だから挨拶と兼ねて少し喝を入れる。
すると目の前の彼女はビビる訳でもなく寧ろやる気に満ち溢れた顔をしていて少し驚いた。
だが、この仕事は時はそんな生優しい物じゃない…
ある時、廊下を歩いていると近くで話し声が聞こえた。
そっちの方へ行ってみると、Aと別部署の自分より少し下の地位の男が話していた。
気配を抑え近づく事で二人の会話が聞こえやすくなる…
「はっ!女が公安とは…上の奴らは何考えてるんだか…」
馬鹿した言い方をする男に降谷は眉を寄せた。
『「女」の私でも公安でやっていけるだろうと期待してくださっている上の方々の為に、精一杯頑張るだけですね!!』
だがAは逆に楽しそうに受け答える。
「女に何ができる!?女は女らしく結婚して子供作って家庭守ってればいいんだよ!!」
『今は女も実力次第で社会で活躍できる時ですからね!!こんな時こそ発揮するものかと…』
「チッ!あのふざけた髪色した奴の下にいるだけあって、生意気だな!!」
『本当ですか!?いやー!降谷さんは私にとって尊敬と憧れの人ですからね!!照れちゃいます〜!』
「そう言う意味じゃねぇよ!!こんな所でバカの相手なんてしてるだけ無駄だな…」
そう言って男は立ち去って行く……
ずっと隠れて聞いていたが、普通なら怒って殴りそうになるところを彼女はずっと堪えていたのに関心する。
これだけで怒りをぶつけていては公安失格だったがな……
すると、Aは一人になった瞬間ダンッダンッ!!と足で床を蹴る。
『ファッキンガム宮殿!!!!!
あんたみたいな野郎の下に付いてる部下の方が可哀想だわ!!!
降谷さんは理想が高く、その理想に恥じない生き方してるんだよ!!いーーーーーっだ!!』
ギリギリと怒る様子を見て降谷は少し笑った。
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ぽむ(プロフ) - すき。語彙力ないんですけど、この作品が好きです。ありがとうございました。 (2022年5月12日 23時) (レス) @page40 id: 10c6d472ea (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - Shamrockさん» お褒めの言葉ありがとうございます!!皆様の応援のお陰でやってこれました!!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
九実(プロフ) - おったまげさん» ありがとうございます!色々伏線がありましたねw1度読んだ後、もう一度読んだ時に伏線を見れるのが面白いように書きましたw! (2019年4月6日 6時) (レス) id: 8f700df676 (このIDを非表示/違反報告)
Shamrock(プロフ) - 九実さんの作品ほんと好きです。文才だなぁと思いながらいつも見ています。これからも頑張ってください (2019年4月5日 23時) (レス) id: 4a04417653 (このIDを非表示/違反報告)
おったまげ(プロフ) - もう本当に読んでいて素晴らしかったです。催眠のスイッチの部分とか、最後の最後にあぁこういうことだったんだ!って一人で感動してました(笑)これからも連載頑張ってください^ ^ (2019年4月5日 23時) (レス) id: e18c4166e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九実 | 作成日時:2019年4月5日 11時