055 兜 ページ11
今剣「A……どうしてですか? ぼくたちのことをわすれてしまったのですか?」
6人は悲痛な表情をして青薔薇の剣を見ていた
「……忘れた? 私と貴方が会ったのは今日が初めてだよ」
乱「っ……こんなの、酷いっ!」
兜の十字の闇から発せられた声で、乱の心は限界を迎えて、それが涙となって流れた
その時、どこか遠くからサイレンが聞こえてきた
「時間切れ、か……」
騎士は誰にも聞こえないような声量で呟くと、踵を返した
しかし、それを2人の剣士が見逃すはずがない
夜空「A!」
その声に、騎士は、これが最後だと言う風にゆっくり振り返った
金木犀「俺たちは、絶対にお前を救う! 元に戻して見せる!
だから、それまでにあの偽物の野郎に洗脳されるなよ!!」
「……偽物?」
騎士の纏う気配が豹変する
その気配だけでひと1人を気絶させることができそうだ
「いくら金木犀でも、私の主さまを侮辱するのは許さない」
騎士が腰の剣に左手を添える
どうやら、青薔薇の剣は、偽物と呼ばれた人物を、桐と勘違いしたようだ
それでも金色の剣士は臆することなく言う
金木犀「お前が正気になるんなら、俺はお前に嫌われても良い」
「っ……」
金木犀のその真剣な瞳に、青薔薇の剣は訳も分からない気持ちになった
それと同時に、彼らがいるところにパトカーや救急車が到着した
警察官「あそこだ! 7人が刀を持ってるぞ!」
乱「僕たちも!?」
白山「まずいですね……」
三日月「逃げたほうが良いな」
「……」
騎士はさっと周囲を見回した後、近くの建物の屋根に飛び乗った
その場にいた者達の目が彼女に集まる
屋根の上で姿勢を正すと、兜の留め具をパチパチと外す
そして、それまで彼女の顔を隠していた兜を頭から引き抜く
兜を足元に置き、6人を見下ろしながら微笑む
亜麻色の髪と青のマントが風になびく
その様が、言葉にできない美しさを見せる
全員がそれに見惚れている時、
「……またね」
彼女の
そのまま、青薔薇の剣は、屋根を伝いながら去って行った
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白(あきら)(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年10月13日 23時) (
レス) id: 46e374d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつもいつも楽しみにさせて頂いております！これからも更新頑張ってください！ (2019年10月13日 10時) (レス) id: c5721a90b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白（あきら） | 作成日時：2019年10月13日 2時
