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どこに行くのか分からないまま着いていけば、小さな会議室のドアが開く。手招きされて椅子に座って、目の前にカップがふたつ、Aが隣に座った。
「2日連続だと流石にやばいかもしれないけど」
『…ああ、ミルクティー』
「昨日、オッパですよね」
『うん、』
「でも美味しいものは、1人よりも2人で食べた方が楽しいですよ」
テンヒョンが言っていたのが頭に浮かんで、思わず笑ってしまう。マフィンを食べて、ちょうど届いた出前を開ければまた良い匂いがする。いただきますと声に出して、パスタを器用に巻いて、口に入れれば目を見開いた。美味しいと言っていないのにこれだけで分かってしまうから、愛おしいと思う。これはきっと、妹として。
「ごめんなさい」
『…それは、えっと、』
「一昨日くらいから、上手く話せなくてごめんなさい」
『やっぱり俺避けられてたの？』
「避けてるつもりはなかったんだけど、そう思わせてたかもしれないから」
『でも、俺たちってもともとそんなに、』
話している途中で椅子が回って、向かい合わせになる。まるであの時のように。かちりと合った目が何を言うのかなんて分からないけど、Aが耳に触れた。
「これ、オッパが開けてくれたんだよ」
『ピアス？』
「お気に入りのやつ、オッパがくれたやつって知ってた？」
シルバーの小さなリングピアス。今年の誕生日にAはゴールドのピアスをくれたから、俺はシルバーを選んだんだった。
開けて欲しいと頼んできた時はぎゅっと目を瞑っていたけど、今ではそれをしまう棚が出来るほどAも気に入っているらしい。にこりと笑えばピアスが揺れて、オッパ、と呼ばれる。
「わたしなりに、オッパのこと頼りにしてます」
『そうなの？』
「それでね、頼みたいことがあるんだけど」
ポケットから出てきたのはあの時と同じピアッサーで、お願いしますと手に握らされる。
『増やすの？』
「うん、やっぱりオッパが良くて」
『その、耳冷やしたりしないと』
「あ、でもこの氷とかで大丈夫じゃないですか？」
『…俺ドヨンイヒョンに怒られたくないんだけど？』
「そうなったら一緒に怒られますよ」
にこりと笑う、そんな顔も久しぶりに見たかもしれない。結局宿舎でやってあげると言って、やっとパスタの味が分かってきた。なんだかこのまま、このままで良いのかもしれない。こんな距離が、実はちょうど良いのかもしれない。
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yom(プロフ) - まやにゃむさん» ペーパームーンからずっと読んで頂きありがとうございます！🥲💖これから話が進むので楽しみにしていてください🫶🏻 (2022年7月12日 22時) (
レス) id: 0ce65e6476 (このIDを非表示/違反報告)
まやにゃむ - ペーパームーンからファンで読んでます！推しのジェと主人公ちゃんのこの後とってもたのしみです💖応援してます💖 (2022年7月12日 19時) (レス) id: 5e67e2a30a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yom | 作成日時：2022年6月22日 18時
