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休み時間になった。次々と二人に質問するクラスメイト達をなんとか振りきって、二人を階段の隅につれ出した。
のんきなことに、すいれんさんが改めて挨拶をくれる。
「灯色ちゃん久しぶりー。なんで声かけたらイヤそうな顔したのさ」
「当たり前だろ、場所を選べよ」
そういう問題じゃないと怒って言うと、じゃあ何?と揃って首をかしげる。
「……とりあえず、なんでここに来たのか一から説明してくれる?休み時間短いからできれば手短に」
「何故なら其処に灯色ちゃんがいたから」
「同じく」
「それはもういいわ」
すいれんさんが毎度の如く何かへんな方向に持ってってしまう。呆れる私を見かねたふうりさんが口を開いた。
「でも本当にそのままなんだよね。私達、灯色さんがいたから来たの」
「『来たの』って…転校なんて、そんなホイホイ出来るもんじゃないでしょ」
「素晴らしいことに我々の環境がかなり恵まれてるんだよね、そういうことに関しては」
「どういうことに関して?」
「結構好き勝手できるんだー。わたしとふうりちゃん」
すいれんさんが胸の辺りに両手を持ってきて、人差し指を上に向けてくるくる回す。
「フットワークが軽いの。わたしのママとパパは外国で仕事してるし、ふうりちゃん家は実質封馬くんが家主さんだから。ちょっと言い方悪いけど、封馬くんは芸能人でしょ?それと、ふうりちゃん達に対して甘いから、頼んだらお金出してくれるんだ。わたしはお金は、ママとパパに頼んでるかな」
「はぁ…」
なんかよく分からないけど、お金と余裕があったってことか。
ふうりさんの親についての質問が喉から出そうになったけど、無神経かと思って慌てて引っ込めた。
「とにかく、私達は灯色さんを見守る為に転校してきたから。これからよろしくね」
「見守るって、私は子供じゃないけど」
「まあそう言いなさんな。普通に接してくれたらいいよ」
「そうだよ、仲良くしましょー!あと、そのさん付けもやめてほしいなあ…」
よそよそしい感じがしてへこむなあと、しょんぼりしたわんこのような目で見つめられる。身長的に上目遣いになるのも相まって、ものすごく断りにくい。
挙げ句ふうりさんも、そうだなあと三人分の愛称を考え出した。
「え、えっと。じゃあちょっと待って、考えるから!」
ぱあっと目を光らせたすいれんさんに続いて、ふうりさんの表情も少し明るくなった気がした。
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ひすい(プロフ) - tubinさん» わわ、嬉しいお言葉がたくさん!ありがとうございます。雪氏の挿絵も相まってキャラの可愛さが伝わっていれば幸いです…。モチベがあがるー!早めに更新できるように努力します(`∀´*)/ (2021年8月28日 0時) (レス) id: bcd955ca5c (このIDを非表示/違反報告)
tubin - ひすいさん» すごくおもしろかったです!! 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください!! (2021年8月27日 10時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴(プロフ) - 秘封活動録………秘封活動倶楽部を思い出した……wwそれはさておき面白かったです! (2021年1月27日 14時) (レス) id: 877859fa3c (このIDを非表示/違反報告)
ひすい(プロフ) - 梨李愛さん» な、何かが違う…。でもありがとうございます、梅酒呑みます未成年ですけど!!! (2020年11月24日 18時) (レス) id: 13e26514b2 (このIDを非表示/違反報告)
75。(プロフ) - 梨李愛さん» 梨李愛さんだ!(歓喜)推しの敵の弱点を頂きましたありがとうございます^^ ?「75と仲間になる確率が上がった!」 (2020年11月24日 17時) (レス) id: 262b134c7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひすい&雪。 x他1人 | 作成日時:2020年10月26日 21時