空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

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道路を走り抜ける。運動神経は平均なので、あまりスピード感は出てなさそうだけど。

それに、全力疾走は誰でも5秒しか持たないらしい。すぐへとへとになったので、早歩きに転向した。で、喋れるくらいの余裕が出来たらまた走るを繰り返す。


いっそ途中まで自転車で進んで、無難なところで駐輪場に停めたほうが良かったのかな…


「なーんて…って」

「ちっ、遅刻ッ！」

「…ッ！？」


私がぼやいた瞬間、横を焦った調子の何かがすごいスピードで突っ切った。それに風が着いてきた勢いで、思わず目を瞑る。

慌ててすぐに目を開けて、後ろを振り返る。



「え………飛んでる？」


小さな女の子が、確かに宙に浮いていた。辺りを見回しても、周りの人は普段通りの様子で、まるで見えてないようだ。



「(いや……違う)」




気づいてないんだ。


私には確かに見えた。だから、あの子は…







「能力者…」








そこではっと我に帰る。こんなことしてる場合じゃない！！

いや気になるけども！！！！


あとでふうりさん達に聞けばいいや。

脇目も振らずにもう一度走り出す。いつの間にか、学校は目前だった。




「！やった、よかっ…」




そこで、示し合わせたかのようにチャイムが鳴った。



「まじか・・・・・」



どこのお決まりのオチだよ。

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