空中楼閣組織・秘封活動録【一冊目】

お兄さん ページ20

いあのあと、「お兄さんどんな人？」とか、「何歳？」とかいろいろ聞いてみたけど、ふうりさんはずっと「あー」とか「うー」とかしか言わなかった。ほんとに言いたくないみたいだ。

言ってくれそうなすいれんさんにも聞いた。


「え？ふうまくん？えーっとね、なんか派手な仕事してるよ！詳しいことは諸事情により言えないお仕事。……あ、あとシスコン」



すいれんさんは爆弾発言しかしないのか。

なんか怪しい仕事かなんかしてんの？って聞いたら、きらきらした仕事って返された。


「(ホスト……？)」


性格はともかく、ふうりさん遺伝子だったらありえる。美形ならどんな仕事にもつけるって、うちのクラスの誰かが言ってた。気がする。

とりあえず、ふうりさんのお兄さんについては、「何か怪しい派手な仕事をしている」「高天原封馬という名前」「シスコン」という情報しか得られなかった。ちなみに名前の漢字はすいれんさんに聞いた。

そんなこんなしている内に日が落ちてきてしまったので、とりあえず今日は解散ということで、というふうりさんの一言ののち、さっさと放り出された。

じゃーねーとすいれんさんに手を振られながら別れたけど、後で私は彼女達の連絡先も知らないということに気づき、心の中で自分と二人に盛大にツッコミを入れた。私達のいた部屋の場所は自分の通う高校に近かったらしく、帰り道はすぐに分かった。


家に着き、鞄を放り投げる。そして自分もベッドにダイブする。


「色々あり過ぎて、疲れた…」



屋上から飛び降りようとして、目が覚めたら何故かへんな所にいて、そこでかわいらしい超能力者に出会って、いろいろ信じられないことばっかり説明されて。


あそこまでぶっ飛んだ密度の濃い日を過ごす人間なんて、人類誕生してから早々いないと思う。そう考えると私すごいな…。

というかよくよく考えると、解けてない謎がたくさんある。


今度あったときに全部訊けるように、メモ代わりの紙に書き込む。


・なんで私が助かったのか

・彼女はどこに住んでいるのか

・二人の代償

・他の人たちについて

・高校どこ

・お兄さんってホスト？




「ま、こんなもんかな？」


適当に制服のポケットに詰め込んで、もうそのまま眠った。

小説みたいなありきたりな表現になるけど、明後日は更に密度の濃い日になるだろうなんて、全然考えずに。

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