ep.5 Camouflage ページ5
「全く、最高の目覚めだ。」
身支度をしながら、Aは自嘲する。
「エルが死んだら、なんて考えた事もなかったな。まぁ、死なない…らしいが。それにしても、エルの両親は知ってるの…」
違和感。
「あれ?そういえばエルの両親って見たことないな。」
違和感。
「エルの家には何回も行ってるのにな…」
刹那、Aの頭に激痛が走った。
「!」
何だ?この違和感は。
「…気にした事もなかった。いや、気にしないようにされていた?」
まだ痛む頭を押さえ、Aは必死に記憶を辿る。
「…エルはいつからこの街にいるんだ?幼なじみで、昔から仲が良くて、同じ学校に入って、暦ノ祭でもよく一緒に遊んだよな。」
ふと気付いた。思い出せるエルとの思い出は全て学校に入ってからのものだ、という事に。
「そんな訳…だってエルとは子供の時から家族ぐるみの付き合いを…」
だんだん痛みが増してきた。
「思い出せない…」
煩悶するAの耳にコツコツと階段を上がる音が入ってきた。
「ちょっとA?いつまで待たせるの…って、大丈夫!?」
エルが慌てて駆け寄ってきた。
「ああ、なんとかな。…それよりも聞きたい事がある。」
「何?」
「お前は一体…」
「その質問にはワシが答えよう。」
声がした方を見ると、窓枠に鳥が止まっていた。
「師匠!?」
「いかにも。」
窓枠に止まっていた鳥は瞬く間に老魔術士の姿に変わった。
「やあ、A君。調子はどうかね?」
「あ、ちょっと頭が痛いです。…じゃなくて、質問に答えるって、一体?」
「そう焦るな。色々聞きたい事があるじゃろう。…ワシも色々と話しておかなければならん事がある。じゃがその前に…」
トム爺は何かを呟いた。すると、光の輪がトム爺を中心にして同心円状に広がり家をすっかり包んでしまった。
「結界を張らせてもらった。これからする話は極秘事項じゃからな。」
「極秘事項?」
「ああ、国家機密と言ってもいい。」
「…師匠、何を言ってるんですか?」
「これから言う事を落ち着いて聞いてほしい。…まず、ワシの正体じゃが…」
トム爺は一歩後ろに下がり指を打ち鳴らした。すると、トム爺の輪郭がぼやけ始めた。
「ワシは流浪の老魔術士ではない。…ワシ、いや、俺の名前はトーマス、デルオラ国王直属の特務機関〈
そこにいたのは老人ではなく、背の高い青年であった。
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ブルードラゴン(プロフ) - どうも、ブルードラゴンです!更新滞っててすいませんでした。お詫びといっては何ですが、2話同時公開しました。悪しからず。 (2018年7月22日 17時) (レス) id: c16af61e6b (このIDを非表示/違反報告)
伶音(プロフ) - ブルードラゴンさん» 悪魔の罠だとしたら……………………? (2018年6月9日 13時) (レス) id: f73e8dd60b (このIDを非表示/違反報告)
ブルードラゴン(プロフ) - 伶音さん» 天使のいたずらか、悪魔の罠かw (2018年6月5日 7時) (レス) id: c16af61e6b (このIDを非表示/違反報告)
伶音(プロフ) - まだ、1話しかないのに過去最高32位!? (2018年6月5日 7時) (レス) id: f73e8dd60b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブルードラゴン | 作成日時:2018年5月27日 23時