133.好きになれない。 ページ35
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「私をどうする気ですか？」
「さぁな。お頭の考えてることは私にもわからない時がある」
黒楼さんは寝台に寝かされた私の傷の手当てをしてくれる。男所帯の中で紅一点の黒桜さんは口調は乱暴だけど、姉御肌で面倒見がよさそう。実際、兵からも姉御と呼ばれていたから。
「にしても、右足の骨折に少しの擦り傷。走っていた馬から落馬してそれだけの怪我とは…運がいいんだな」
「そうですかね…。」
傷の治りが早いのは私の持つ力のおかげ。
右手に宿った力が戦うモノなら、左手に宿ったのは傷を癒す力。魏の戦で怪我をした時もこの力のおかげで傷の治りが早かった。
父上は信じられないと私の体をべたべたと触って確認してたけど。今思うとあれはただ私の体に触りたかっただけだと疑いたくもなる。
「あの、父上…いえ、王騎将軍の屋敷の場所知っていますか？」
「私は知らないが、お頭なら知ってるんじゃないか」
「お頭って…。さっき私をここに連れて来いと指示していた人ですか？」
「お前どこのもんだよ？お頭の名前を知らないなんて。とんだ田舎者だな」
呆れた様子の黒桜さんは、私を見て鼻で笑った。
どこのもんだと言われても、一応天下の大将軍の娘ですけどと私は呟く。
「お前、王騎の女か？」
「お頭！？いつからそこに、」
「黒桜。この女に話がある。席を外せ」
名前を呼ばれた黒桜さんは頬を染め、嬉しそうにテントを出て行った。
嬉しそうに……何かひっかかるけど。
「お前、見た目は悪くねェな」
グイッと顎を掴まれ顔を近づけてくるお頭と呼ばれた男性の手を「離してください」と払った。初対面にして図々しい。威圧的な態度。どんなに偉い人だろうが、好感は持てない。
それに感情のないような冷たい眼差し。
「正直に話せばお前を悪いようにはしねェ」
「正直に話さなかったら私をどうするつもりですか？」
「さぁな。女の使い道ならいくらでもあるだろ。ここの野郎どもは四六時中女に飢えてるからなァ」
ギシッと音を立て寝台に腰を下ろしたお頭は、私をじっと見つめた。
「先ずは名前を教えろ」
「名前を聞く時は、自分から名乗るのが筋です」
「フッ。気の強ェ女は嫌いじゃねェが。虚勢を張るのはやめろ。そう言うマネは通用する相手と通用しねェ相手がいるってこと知らねェのか？生憎、俺は後者なんだよ」
形の良い口元に笑みを浮かべたお頭は、折れている私の右足を手加減なしに掴んだ。
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bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか？すごく面白くて一気読みしてしまいました！ (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ！体調大丈夫ですか？心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています！ゆっくり休んでくださいね！ (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます！更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2019年6月9日 7時
