121.昔に戻って。 ページ23
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「俺のとこに来るの、将軍は何も言わなかったのか?」
「ん?まぁ…色々とあったけど…。」
騰さんに言われたように可愛く(自分的に)おねだりしたら、気分を良くした父上に逆に可愛がられて酷い目に合った。
"そうやって甘えられるといつもより熱くなりますねェ"と父上のやる気を後押しするとわかっていたなら、絶対に言わなかったのに。
これ以上は私の体が持たない、しばらく一人にさせてと叫び。半ば家出同然で、父上の屋敷を飛び出したのは数刻前。
「でも、よくオレ達の場所わかったな?」
「騰さんが、父上の副官の人が裏で手引きしてくれたの。御車や私の着るものまで準備してくれていたから。ここまで来れたのも、そのおかげ」
「なぁなぁ、って事は今日はAここに泊まってくれるんだろ?」
「うん。迷惑かもしれないけど、」
「迷惑じゃねェ。なんならずっとここにいてもいい」
「だよな!オレもAと信。あと、ここに政がいてくれたら…。また昔みたいに戻ったみたいで楽しいかも」
貂の用意してくれたご飯を囲みながら、会話に花が咲く。相変わらず貂の作ってくれたご飯は美味しい。
「貂は料理上手だよね。今度、私にも教えてくれる?」
「いいぞ。もしかして、誰か食べさせてやりたいヤツでもいるのか?」
「それは…。」
「俺に決まってるよな?前に作ってくれるって約束したからな」
確かに、王弟反乱の際立ち寄った避暑地で信に手料理を食べさせてあげると約束した。
覚えてくれていたなんて…。
「何だよ。意外みたいな顔して」
「実際意外だからじゃねぇの?信記憶力あるんだな」
「テン、お前な」
振り上げた信の拳に、貂は助けてと私の後ろに身を隠した。
「信、貂に暴力振らないで」
「……なんもしねェよ」
「Aの言う通り。信は直ぐにオレに暴力振るうんだ。オレの扱いもっと大事にしろ!誰のおかげで上手い飯が食えてると思ってる。少しは感謝しろよな」
「やっぱムカつくから一発殴らせろ」
信と貂のこのやり取り、昔に戻ったみたいで懐かしい。
ここに政がいてくれたら、何て言って二人を止めたかな。
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bluemoon(プロフ) - うーちゃんさん» 今晩は。只今編集作業をしている最中で、終わり次第パスワードを外させて頂きます。ご迷惑をおかけ致しますがお待ち頂けますようお願い致します。メッセージありがとうございますね。 (2022年6月15日 20時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
うーちゃん(プロフ) - こんにちは☺︎ 4から見たいのですがパスワードがかかっており見れません(>_<) 教えていただけませんか?すごく面白くて一気読みしてしまいました! (2022年6月15日 6時) (レス) id: ff65ffef2e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - おはようございます。体調だいぶ良くなりました。お気遣いありがとうございます。書きたい衝動になっているので、自分のペースで更新していきたいと思います。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月17日 10時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
Mimina(プロフ) - こんばんわ!体調大丈夫ですか?心配です。元気なったらまた素敵なお話楽しみにしています!ゆっくり休んでくださいね! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 4c3be01646 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Miminaさん» 返信遅くなってごめんなさい。ちょっと体調を崩してしまって、申し訳ありません。何回も読んでいただいてありがとうございます!更新頑張らないとですね。ありがとうございました。 (2019年7月31日 5時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bluemoon | 作成日時:2019年6月9日 7時